03月≪ 2017年04月 ≫05月

123456789101112131415161718192021222324252627282930
--.--/--(--)

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【編集】 |  --:-- |  スポンサー広告  | Top↑
2014.08/05(Tue)

歩兵の本領 


歩兵の本領 (講談社文庫)歩兵の本領 (講談社文庫)
(2004/04/15)
浅田 次郎

商品詳細を見る


最近浅田小説にはまっているが、これは秀逸。自衛隊という特殊な環境が舞台である。氏は自衛隊出身と言うこともあり、自衛隊内の描写にリアリティを感じる。しかし、それよりも、本書は兵隊や軍隊をフィルターとして、そのフィルターを通し、また対比させることにより、人間、社会の本質を考察したところに真価があるのではあるまいか。本書の筆致はユーモラスにバカっぽい反面、哲学的な部分も多々ある。面白いだけの下らない小説に堕することなく、極めて知的な感慨を読者にもたらすのである。
スポンサーサイト
【編集】 |  08:08 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2014.07/04(Fri)

蒼穹の昴 


蒼穹の昴(1) (講談社文庫)蒼穹の昴(1) (講談社文庫)
(2004/10/15)
浅田 次郎

商品詳細を見る


プリズンホテルで浅田次郎にはまり、そのプリズンホテルの書評で蒼穹の昴がべた褒めされていたので読んでみた。

かなり面白い。史実とフィクションを織り交ぜているのであるが、まるで史実であるかのごとくである。フィクションといっても、実在しない人物が主役級をはるのである。西太后、袁世凱、李鴻章、こんな大物揃いの中で虚構の人物にあれこれさせるのは難しかったであろう。

昔、陳舜臣の小説十八史略を読んだことがあった。著者はあとがきで、「小説、と銘打ち虚構の人物を入れようと思ったが、入る余地がなかった」と言っていた。蒼穹の昴に入る余地があったかなかったか、自分は判断出来ぬ。ただ、この作品が面白いということは明言出来るのである。
【編集】 |  07:24 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2014.01/02(Thu)

王妃の離婚 

王妃の離婚 (集英社文庫)王妃の離婚 (集英社文庫)
(2013/07/25)
佐藤賢一

商品詳細を見る


史実を元にした法廷サスペンスである。実に面白い。また、中世ヨーロッパの王権と教会の駆け引きなど、細かいところもよく描けている。大学の自治もリアリティーがある。ただ、若干時代劇っぽい流れがあるのは否めない。中世ヨーロッパの話しであるのだが、どうも丁髷を連想してしまうような……。まぁ、勧善懲悪ものなので仕方がないのだが。そして、ルイ12世のあまりのバカ殿ぶりもちょっと。


オススメ度: レベル4
FC2 Blog Ranking
blogram投票ボタン

《参考・関連図書》

かの名はポンパドールかの名はポンパドール
(2013/09/11)
佐藤 賢一

商品詳細を見る

黒王妃黒王妃
(2012/12/07)
佐藤 賢一

商品詳細を見る

革命のライオン 小説フランス革命 1 (小説フランス革命) (集英社文庫)革命のライオン 小説フランス革命 1 (小説フランス革命) (集英社文庫)
(2011/09/16)
佐藤 賢一

商品詳細を見る

テーマ : オススメの本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  08:27 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2013.12/30(Mon)

脳内ニーチェ 


脳内ニーチェ脳内ニーチェ
(2011/12/07)
適菜 収

商品詳細を見る


霊媒師にニーチェが降りてきて現代日本を非難するという身も蓋もない小説。小説としてはもはや作品以前の問題。

ニーチェは近代社会を否定する。プラトン、ペテロ、ルター、ルソー、マルクス、という流れが原題を腐敗させたという。

プラトンのなにが問題か。プラトンはイデアという理想を作った。これはキリスト教も同じで、現世ではないあの世で理想を実現するというもの。これゆえに、現実の美や力がないがしろにされる傾向にあるという。

近代社会とは確かにそういうところがある。憲法にしろ近代刑法にしろある種の理想でできあがっている。しかし、当然現実は理想通りにはならない。そこで、現実を否定して理想を肯定するか、現実を肯定して理想を空虚なものとして否定するか、問題はその態度である。どちらも正解ではないだろう。世の中そんなに単純じゃない。

この作者の著書の一番の問題はものごとを単純化させすぎているところではないか。割り切るのはその時は気持ちがいいが後味が悪い。


オススメ度: レベル3
FC2 Blog Ranking
blogram投票ボタン

《参考・関連図書》


超訳 ニーチェの言葉超訳 ニーチェの言葉
(2010/01/12)
白取 春彦

商品詳細を見る


ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)
(1967/04/16)
ニーチェ

商品詳細を見る


この人を見よ (新潮文庫)この人を見よ (新潮文庫)
(1990/06/22)
ニーチェ

商品詳細を見る

テーマ : オススメの本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  07:52 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2013.11/19(Tue)

夏 プリズンホテル(1) 


夏 プリズンホテル(1) (プリズンホテル) (集英社文庫)夏 プリズンホテル(1) (プリズンホテル) (集英社文庫)
(2001/06/20)
浅田 次郎

商品詳細を見る


浅田次郎の小説はこれが初めて……鉄道員を昔読んだか? はっきり記憶にない。

本書は笑いあり人情ありのどたばたコメディ。あじさいホテルをヤクザが買い、ヤクザ専用のホテルにするところからはじまる。従業員もヤクザ、お客もヤクザなので、そこにカタギが混ざると化学反応がおきて面白いことが。

ヤクザがたくさん出てくるが、ダークなところは全くない。純粋な人間で任侠の人間として描かれている。小説家などは性格がねじ曲がっている設定だが、それでも悪い人間じゃない。愛すべきキャラが揃っている。

浅田次郎という名前から、シリアスな小説だと思って手を出すと肩すかしを食らうであろう。深みは全くないがとにかく面白い作品。全四巻らしい。続きを読みたい。


オススメ度: レベル4.5
FC2 Blog Ranking
blogram投票ボタン

《参考・関連図書》


秋 プリズンホテル(2) (プリズンホテル) (集英社文庫)秋 プリズンホテル(2) (プリズンホテル) (集英社文庫)
(2001/07/19)
浅田 次郎

商品詳細を見る


冬 プリズンホテル(3) (プリズンホテル) (集英社文庫)冬 プリズンホテル(3) (プリズンホテル) (集英社文庫)
(2001/09/20)
浅田 次郎

商品詳細を見る


プリズンホテル 4 春 (集英社文庫)プリズンホテル 4 春 (集英社文庫)
(2013/04/11)
浅田次郎

商品詳細を見る

テーマ : オススメの本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  06:29 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2013.01/22(Tue)

雄気堂々 上下 

雄気堂々〈上〉 (新潮文庫)雄気堂々〈上〉 (新潮文庫)
(1976/05)
城山 三郎

商品詳細を見る


渋沢栄一の伝記小説。渋沢栄一の子ども時代から40歳くらいまでの話しを書いている。幕末から明治の面白い時代を扱ってるだけあって、小説としてもメチャクチャ面白い。NHKの大河ドラマもこういうのやってくれると良いのだが。読んだこっちも雄気が沸いてくる本である。

若干、善人でヒーロー過ぎw 小説の主人公だからそういうものか。ちょっと人間味にかけてたかも知れない。しかし、明治初期の事業を次々に為していくのは爽快。西郷、大久保、木戸、伊藤、井上、大隈、慶喜などの大物も惜しげなく登場する。久々に面白い小説を読んだ。


オススメ度: レベル4
FC2 Blog Ranking
blogram投票ボタン

《参考・関連図書》

幕末史 (新潮文庫)幕末史 (新潮文庫)
(2012/10/29)
半藤 一利

商品詳細を見る

増補 幕末百話 (岩波文庫)増補 幕末百話 (岩波文庫)
(1996/04/16)
篠田 鉱造

商品詳細を見る

幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)
(2006/11/21)
井上 勝生

商品詳細を見る

テーマ : オススメの本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  06:13 |  小説  | TB(1)  | CM(0) | Top↑
2010.12/30(Thu)

アナーキー・イン・ザ・JP 

アナーキー・イン・ザ・JPアナーキー・イン・ザ・JP
(2010/09/29)
中森 明夫

商品詳細を見る


セックスピストルズにはまった高校生がアナーキストであるシドヴィシャスを降霊術によって呼び出そうとすると、間違えて大杉栄を呼び出してしまう。大杉栄は高校生の頭の中によみがえり、現代の高校生の頭の中で同居することになる。

本書の文体などは一見娯楽小説のようであるが、大正時代の思想的背景などが詳しく書かれており知的欲求も満たすものである。

シドヴィシャスと大杉栄は、アナーキストと括ってもまるで違う存在だ。シドは反国家的というよりも反社会的である。大杉は反社会というより、反体制的な存在である。つまり、シドはいつの時代でもアナーキストであるが、大杉は仮に現在を生きていたとしたら、さほど強烈な思想的インパクトはないものと思われる。

そこが、本作のミソなような気がするのは余だけであろうか。反逆すべき体制が無い中で、人はどのようにアナーキーに振る舞うことが可能か。元も子もない言い方になるが、言論の自由や、危険思想というものは、なんらかの権力によりそれらが抑圧されてこそ輝くということがある。本書では大正時代と現在との日本を比較しているが、必ずしも現在が良いとはされていない。大正期に抑圧されていたものが解放されているにもかかわらず。

一体人々はなにゆえに閉塞しているのであろうか。法律であろうか、道徳であろうか、それとも自由にであろうか。自由から脱するとき、過去にはパンクという反社会的な言動が有効であったのかも知れない。しかし、今はそれすら閉塞を切り裂く刀にはなるまい。


オススメ度: レベル4
FC2 Blog Ranking
blogram投票ボタン

《参考・関連図書》

勝手にしやがれ!!勝手にしやがれ!!
(1999/09/29)
セックス・ピストルズ

商品詳細を見る

学校で愛するということ学校で愛するということ
(2009/03/27)
中森 明夫

商品詳細を見る

アイドルにっぽんアイドルにっぽん
(2007/04)
中森 明夫

商品詳細を見る

テーマ : オススメの本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  14:43 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2010.09/30(Thu)

哀愁的東京 

哀愁的東京 (角川文庫)哀愁的東京 (角川文庫)
(2006/12/22)
重松 清

商品詳細を見る


短編連作の長編小説である。失踪の次にこの作品が好きだ。余は大体の場合、小説はBOOKOFFの100円か、図書館で借りるかのどちらかである。が、本書はBOOKOFFで300円近い大枚をはたいて購入。一章を立ち読みしたが、それだけ惹かれるものがあった。この作品の一章は秀逸で、単体としても十分面白い。

二章以降は玉石混合。全く感情移入できずに、醒めてしまうものや、単なるお涙頂戴みたいな下らないものなど様々だ。著者自身の経験か、書けなくなってしまった作家の心境や、フリーライターという職業の人間がどのような思考で原稿を作るのか、伝わってくる。読んで損なしの小説である。


オススメ度: レベル4
FC2 Blog Ranking
blogram投票ボタン

《参考・関連図書》

青い鳥 (新潮文庫)青い鳥 (新潮文庫)
(2010/06/29)
重松 清

商品詳細を見る

カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)
(2010/04/15)
重松 清

商品詳細を見る

十字架 (100周年書き下ろし)十字架 (100周年書き下ろし)
(2009/12/15)
重松 清

商品詳細を見る

テーマ : オススメの本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  00:13 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2010.01/31(Sun)

月のうた 

月のうた月のうた
(2007/10)
穂高 明

商品詳細を見る


エンターテイメント小説ではない。純文学である。読みやすい純文学である。読みやすいが、何が言いたいのかよくわからない文学作品。なんとなくいい話なのだが、だからなに? といったところか。

本作品は登場人物4人の視点から描かれている。章ごとに視点が変わり、ひとつの物語を完成させる。

物語の内容は民子という秀才が母親の死を受け入れる。もしくは、民子の周辺人物が民子が母親の死を受け入れる過程をかいま見ながら、自分の人生を納得する。

個人的には民子の章を最終章にした方が読後感が良いような気がする。あと、あまりにも時間軸が前後するので、ちょっと興醒めするし疲れる。


オススメ度: レベル3
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

かなりやかなりや
(2008/11)
穂高 明

商品詳細を見る

今朝子の晩ごはん―環境チェンジ!篇 (ポプラ文庫)今朝子の晩ごはん―環境チェンジ!篇 (ポプラ文庫)
(2009/10/10)
松井 今朝子

商品詳細を見る

オカメインコに雨坊主 (ポプラ文庫ピュアフル)オカメインコに雨坊主 (ポプラ文庫ピュアフル)
(2009/11/06)
芦原 すなお

商品詳細を見る

テーマ : 本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  00:30 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2010.01/24(Sun)

削除ボーイズ0326 

削除ボーイズ0326 (ポプラ文庫)削除ボーイズ0326 (ポプラ文庫)
(2009/10/10)
方波見 大志

商品詳細を見る

ポプラ賞2000万円の受賞作。受賞当時からパクリだ盗作だと話題が絶えない。パクリの元となっている作品を知らないので、パクリ等は考慮せずに本作品の感想を述べる。

ふつうに面白い小説だった。内容が奇抜なわけでも、ミステリーが深いわけでもないのに、読み始めると止まらなくなる。キャラは悪くない。ただ、小学生が主人公という気はしない。とくに、兄のキャラは秀逸だった。舞城作品とかに出てきそうな感じ。小説全体としては、どことなく重松的な雰囲気もなきにしもあらずのような気がした。

この小説の売りは、過去の或る3分26秒を削除することが出来る機械を駆使して、よりよい未来を求めようと藻掻くというもの。しかし、消せば消すほど世界はおかしな方向に向かう。よかれと思ってやったことなのに、とんでもない方向に向かう。

(以下ネタバレ)

そして、最後に削除装置自体を消して、元の世界を取り戻すというもの。もちろん、その元の世界も、主人公的には100点じゃないけれども、いろいろいじくって狂ってしまった世界よりはマシと判断。だが、主人公にはもう一つ、狂った世界での思い出もある。元の世界を取り戻すと言うことは、狂った世界の思い出を無くすということ。そこに、好きな女の子が絡んでるので、悩み多き、と言ったとこか。まぁ、読んで損はないと思う。


オススメ度: レベル4.5
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

今朝子の晩ごはん―嵐の直木賞篇 (ポプラ文庫)今朝子の晩ごはん―嵐の直木賞篇 (ポプラ文庫)
(2008/10)
松井 今朝子

商品詳細を見る

ラットレースラットレース
(2007/10)
方波見 大志

商品詳細を見る

少年探偵 江戸川乱歩全26巻セット(ポプラ文庫クラシック)少年探偵 江戸川乱歩全26巻セット(ポプラ文庫クラシック)
(2009/11/17)
不明

商品詳細を見る


テーマ : オススメの本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  01:30 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2010.01/02(Sat)

GOTH 

GOTH 夜の章 (角川文庫)GOTH 夜の章 (角川文庫)
(2005/06/25)
乙一

商品詳細を見る

GOTH 僕の章 (角川文庫)GOTH 僕の章 (角川文庫)
(2005/06/25)
乙一

商品詳細を見る


文庫だと夜の章と僕の章に分かれているが、単行本の時は分かれていなかった。
なぜ分けたかは不明。二冊にした方が儲けが出るからだと思われる。
夜とはnightではなく、人の名前である。

主人公と森野夜の二人組がいろいろな事件に関わっていく、連続短編集。主人公はいわゆるサイコパス的な設定で、感情を持ち合わせていない。ただ、人が殺された場所をみるのが好きという、かなりサイコな高校生だ。

本書は六編の短編でできている。いずれもミステリー色が強く、そうでないのもあるのだが、あまりに、ミステリーミステリーしているのは、ミスリードされているのがわかるし、ちりばめられた構成物を丁寧に拾っていかないと面白くないし、疲れる。

余は滅多にミステリーは読まない。ミステリーは最後のどんでん返しがある意味爽快であるし、感嘆もするが、そこへ至るまでが苦痛で苦痛で。そして、最後のどんでん返しがしょぼかったら目も当てられないし。まぁ、本書に関してはなかなか意表を突く、いいミステリーだと思える。


GOTH[ゴス] デラックス版 [DVD]GOTH[ゴス] デラックス版 [DVD]
(2009/06/24)
本郷奏多高梨臨

商品詳細を見る

GOTH (角川コミックス・エース)GOTH (角川コミックス・エース)
(2003/06)
乙一大岩 ケンヂ

商品詳細を見る

GOTH  モリノヨルGOTH モリノヨル
(2008/12/17)
乙一

商品詳細を見る

テーマ : 推理小説・ミステリー - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  11:44 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2009.12/25(Fri)

ぼくらは虚空に夜を視る 

ぼくらは虚空に夜を視る (徳間デュアル文庫)ぼくらは虚空に夜を視る (徳間デュアル文庫)
(2000/08)
上遠野 浩平

商品詳細を見る


ナイトウォッチ三部作の第一作。舞台となる世界観は映画マトリックスそのもので、未来の人間の精神を正常に保つために、夢を見させているという設定。その夢の世界が、我々が日常として享受しているもの。普通の高校生活を送っていたネロ……じゃなく、工藤兵吾は未来の現実を知っている少女に呼び起こされて、未来での戦いにかり出される。

マトリックスと違う部分はマトリックスはあくまでも未来に行き、未来の人類を救おうという話であるが、本書は未来には特に何もなく、日常のプログラムを護るために、未来でしかたなく戦っているといった内容だ。

マトリックスが三部作であるのと同様で、本書も三部作。虚空牙という敵が現れるが、この敵の目的は依然謎。残りの二冊でどのような展開が待ち受けているのか興味を引くところである。

マトリックスは余の中で大傑作である。本シリーズがマトリックスを超えられるかどうか、期待する部分も大きい。第一作目は大しておもしろくなかった。というのも、マトリックスの方がおもしろいからだ。さらに言うと、ブギーポップの方がおもしろいからだ。

オススメ度: レベル3.5
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

あなたは虚人と星に舞う (徳間デュアル文庫)あなたは虚人と星に舞う (徳間デュアル文庫)
(2002/09)
上遠野 浩平

商品詳細を見る

化け猫とめまいのスキャット―ブギーポップ・ダークリー (電撃文庫)化け猫とめまいのスキャット―ブギーポップ・ダークリー (電撃文庫)
(2009/12/10)
上遠野 浩平

商品詳細を見る

わたしは虚夢を月に聴く (徳間デュアル文庫)わたしは虚夢を月に聴く (徳間デュアル文庫)
(2001/08)
上遠野 浩平

商品詳細を見る

テーマ : 本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  23:25 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2009.12/04(Fri)

信長の棺 

信長の棺〈上〉 (文春文庫)信長の棺〈上〉 (文春文庫)
(2008/09/03)
加藤 廣

商品詳細を見る


大ベストセラーだったので読んでみたが、良い意味で地味な作品である。戦国最大のミステリー、信長の死体はどこへ消えたかという謎解きであるが、もっと派手派手しいものを想像していた。しかし、主な登場人物と言えば信長公記の作者の大田牛市と阿弥陀寺の坊主である。文庫版だと上下二冊であるが、二冊目の半分くらいまで複線を張りまくり、残りの四分の一で一気に謎を解く。

しかし、この小説を単に歴史ミステリーに収めてしまうのはちょっとつまらない気がする。というか、むしろ、歴史ミステリーの形を取っているからこそ、魅力が低減してしまっているような気さえする。秀吉の枷、明智佐馬助の恋と三部作になっているが、本書はそちらが気になるような出来なのだ。

オススメ度: レベル4
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

秀吉の枷〈上〉 (文春文庫)秀吉の枷〈上〉 (文春文庫)
(2009/06/10)
加藤 廣

商品詳細を見る

明智左馬助の恋明智左馬助の恋
(2007/04/21)
加藤 廣

商品詳細を見る

豊かさの探求―『信長の棺』の仕事論 (新潮文庫)豊かさの探求―『信長の棺』の仕事論 (新潮文庫)
(2007/09/28)
加藤 廣

商品詳細を見る

空白の桶狭間空白の桶狭間
(2009/03/27)
加藤 廣

商品詳細を見る

テーマ : 推理小説・ミステリー - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  11:15 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2009.08/16(Sun)

風の歌を聴け 

風の歌を聴け (講談社文庫)風の歌を聴け (講談社文庫)
(2004/09/15)
村上 春樹

商品詳細を見る


村上春樹のデビュー作。群像新人賞受賞。
「僕」という大学生の主人公が夏休みの間実家に帰る話。そこで、鼠という友達とビールを飲む。また指が四本の女の子と仲良くなる。

僕の回想と現在が行ったり来たりして、僕のエッセイのような感じ。なにが面白いのかなかなか難しいところであるが、この作品は読む価値があると思う。無理矢理、面白さを説明するのだとしたら、過去を振り返る僕には自我が存在するが、現在を生きる僕に自我は感じられない。過去の経験を下敷きとして現在を生きるだけで、それ以上の試行はおこなはない。

また、文章がオシャレと言えばオシャレ。鼻につく部分も多いが。

オススメ度: レベル4
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
(2009/05/29)
村上 春樹

商品詳細を見る

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
(1988/10)
村上 春樹

商品詳細を見る

ヤナーチェク:シンフォニエッタ~小説に出てくるクラシック~ヤナーチェク:シンフォニエッタ~小説に出てくるクラシック~
(2009/08/26)
ヤナーチェク:シンフォニエッタアカデミー室内管弦楽団

商品詳細を見る

テーマ : 小説 - ジャンル : 小説・文学

【編集】 |  09:31 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2009.08/06(Thu)

となり町戦争 

となり町戦争 (集英社文庫)となり町戦争 (集英社文庫)
(2006/12)
三崎 亜記

商品詳細を見る


三崎亜紀のデビュー作。第17回小説すばる新人賞受賞作品。隣の市町村と戦争をしているという話。しかし、実際にドンパチが行われているわけではない。いや、行われているのだが、主人公の視点からはそれがはっきりとは確認できない。

まさに文学的というか、小説的な効果が発揮されている。ただ、その空気が上手に書けているか、といえばそうでもない。むしろ、力業で小説の世界を構築しているきらいがある。

文章は下手くそだし、とってつけたような濡れ場とか、とってつけたような情景描写とか、眉を顰めてしまった部分も多々あったが、作品が表現したいとする、思想的な部分はしっかりと伝わってきた。これは、エンターテイメント作品ではない。純文学でもない。小説という形態を使って、戦争を、戦争を知らない現代人が想像を膨らませたある種のオブジェなのかも知れない。

我々は神や正義や生きる意味を知っているわけではない。同様に、戦争も知らない。が、知らないで知ったような気になっている。それをもう一度考え直す。そんな作業が出来る作品。


オススメ度: レベル4
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

刻まれない明日刻まれない明日
(2009/07/10)
三崎亜記

商品詳細を見る

となり町戦争 [DVD]となり町戦争 [DVD]
(2007/09/28)
江口洋介.原田知世.瑛太.菅田俊.飯田孝男.余貴美子.岩松了.小林麻子

商品詳細を見る

廃墟建築士廃墟建築士
(2009/01/26)
三崎 亜記

商品詳細を見る

テーマ : 小説 - ジャンル : 小説・文学

【編集】 |  12:36 |  小説  | TB(1)  | CM(0) | Top↑
2009.07/27(Mon)

現代語訳 竹取物語 

現代語訳 竹取物語 (新潮文庫)現代語訳 竹取物語 (新潮文庫)
(1998/05)
川端 康成

商品詳細を見る


いわずと知れた竹取物語の現代語訳である。内容はオリジナル。川端が現代語に訳しているだけ。竹取物語は一見荒唐無稽。まさに、現代ならライトノベル的な内容である。いや、ラノベでもこれほど荒唐無稽で、しかも短編というものはないかも知れない。

しかし、面白いのである。斜め読みするつもりだったのだが、結局全部普通に読んでしまった。この本は半分は竹取物語の解説になっている。そこで、川端は竹取物語の面白さの秘密は文章にある、という。川端の現代語訳が名訳かどうかは比べるものがないので分からないけれども、それなりに惹かれて読み進めてしまったと言うことは、なかなかの文章なのであろう。余は川端を結構崇拝している。あの、自然体的な文章は憧れだ。

オススメ度: レベル4
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

新版・竹取物語―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)新版・竹取物語―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
(2001/03)
室伏 信助

商品詳細を見る

現代語訳 竹取物語・伊勢物語現代語訳 竹取物語・伊勢物語
(2005/11)
吉岡 曠

商品詳細を見る

対訳 竹取物語 - The Tale of the Bamboo Cutter対訳 竹取物語 - The Tale of the Bamboo Cutter
(1998/03)
川端 康成ドナルド キーン

商品詳細を見る

テーマ : 小説 - ジャンル : 小説・文学

【編集】 |  09:42 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2009.06/22(Mon)

ゆくとし くるとし 

ゆくとし くるとしゆくとし くるとし
(2006/11/22)
大沼 紀子

商品詳細を見る


第9回坊ちゃん文学賞受賞作品。東京に下宿している大学生の主人公が一年ぶりに実家に帰るとオカマが親と同居していた、という話。おそらく、オカマを持ち出したのは、素直さとか、女らしさとかを強調するためなのだろう。明るくポップで読後感も良い。ただ、この前に「はさんではさんで」を読んでしまっている。読んで得られる昂揚はほとんど同じなのだが、文章や文学的な描写となると、どうしても「はさんではさんで」の方に軍配が上がる。

本書も図書館でかなり古いダカーポを借りてきて読んだので、併録されている作品についてはわかりません。

余談だが、坊っちゃん文学賞の受賞作が掲載されていたダカーポは、昨今の出版不況のあおりを受けて廃刊となってしまった。第11回からの受賞作は、同じマガジンハウスから発刊されているクウネルという雑紙に掲載されることになるらしい。

オススメ度: レベル3
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

はさんではさんではさんではさんで
(2008/09/25)
甘木 つゆこ

商品詳細を見る

ku:nel (クウネル) 2009年 07月号 [雑誌]ku:nel (クウネル) 2009年 07月号 [雑誌]
(2009/05/20)
不明

商品詳細を見る

クウネルの本 もっと私たちのお弁当クウネルの本 もっと私たちのお弁当
(2009/04/16)
クウネルお弁当隊

商品詳細を見る

テーマ : 小説 - ジャンル : 小説・文学

【編集】 |  07:27 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2009.06/21(Sun)

はさんではさんで 

はさんではさんではさんではさんで
(2008/09/25)
甘木 つゆこ

商品詳細を見る


第10回坊ちゃん文学賞受賞作品。受賞時は「タロウの鉗子」という題名だったが、改題され出版。おそらく、鉗子が読者にわかりにくいと思われたのだろう。鉗子とは医療系手術用のペンチみたいなもの。

余は図書館から古いダカーポを借りてきて読んだので、本書に併録されている作品は知らない。

解説だと「性的虐待を受けた主人公は鉗子で自分の体を抓る。同じく性犯罪の被害者貴之が云々」などと、まるで、ダーク系のおどろおどろしい印象を受けるが、内容はポップで軽いノリの作品。そもそも、性的虐待も、子供の頃に軽く悪戯された程度のもの。18禁ですらない。だから、改題の「はさんではさんで」の方が、本作品の内容をより反映していると思う。

大学生という年頃が上手い具合に表現できていて、読んでいて大学時代を思い出した。ちょっと大人の仲間入りをして、ちょっと世の中のことが分かったような気になって、世間からは大人扱いされ、だけど、もっと子供でいたい、みたいな。余的にはかなりツボな作品だったのでお勧めできる。

オススメ度: レベル4
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

ゆくとし くるとしゆくとし くるとし
(2006/11/22)
大沼 紀子

商品詳細を見る

ゆく都市くる都市ゆく都市くる都市
(2007/07)
橋爪 紳也

商品詳細を見る

卵の緒 (新潮文庫)卵の緒 (新潮文庫)
(2007/06)
瀬尾 まいこ

商品詳細を見る

テーマ : オススメ本!! - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  01:06 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2009.01/26(Mon)

スクールアタック・シンドローム 

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)
(2007/06)
舞城 王太郎

商品詳細を見る


スクールアタック・シンドローム、我が家のトトロ、ソマリア、サッチ・ア・スウィートハートの三作品が収められた短編集。トトロは昔読んだ気がする。なにかに入っていたやつの再録。

この三つはどれも傑作。
余が一番好きなのはトトロである。舞城作品にしては珍しく人が死なない。改めて読んだ。面白かった。内容なんかない。普通の家族のちょっとした日常に、太った猫を絡めただけだが、面白い。

スクールアタックは親子の話。

ソマリアは恋愛小説。感動系の恋愛小説である。こういったシチュエーションで恋愛的感情を喚起させるところが、舞城のただ者ではないところ。読んで損無し。

他の舞城作品の書評

みんな元気。
世界は密室でできている。
き好き大好き超愛してる。
山ん中の獅見朋成雄
煙か土か食い物
熊の場所

オススメ度: レベル5
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

ディスコ探偵水曜日〈上〉ディスコ探偵水曜日〈上〉
(2008/07)
舞城 王太郎

商品詳細を見る

九十九十九 (講談社文庫)九十九十九 (講談社文庫)
(2007/01/12)
舞城 王太郎

商品詳細を見る

暗闇の中で子供―The Childish Darkness (講談社ノベルス)暗闇の中で子供―The Childish Darkness (講談社ノベルス)
(2001/09)
舞城 王太郎

商品詳細を見る

テーマ : オススメの本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  02:32 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2008.12/14(Sun)

硝子のハンマー  

硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)
(2007/10)
貴志 祐介

商品詳細を見る


久しぶりに本格ミステリー?を読んだ。単に人を殺した方法を探るだけなのに、ここまで読ませる作家の技量には感服する。脳は空白を嫌うらしい。その性質を利用して、ミステリーは成り立っている。本書も解らしきものが現れては消えてをずいぶんと繰り返す。ミステリーはエッチイことに似ている。行くまでが楽しくて、行ってしまうと虚しさだけがのこる、みたいな。手品とも似ている。タネを知ってしまうと一気に冷める。

ミステリーなので内容には触れないようにする。本書の売りは、防犯グッズアドバイザーが出てきて、防犯アイテムの観点から密室の謎を解こうとする。読んでいる最中は面白いことを保証する。秀作である。


オススメ度: レベル
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

このミステリーがすごい! 2009年版このミステリーがすごい! 2009年版
(2008/12/05)
『このミステリーがすごい!』編集部

商品詳細を見る

狐火の家狐火の家
(2008/03)
貴志 祐介

商品詳細を見る

新世界より 上新世界より 上
(2008/01/24)
貴志 祐介

商品詳細を見る

テーマ : 推理小説・ミステリー - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  23:30 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2008.12/03(Wed)

河童 

河童 他二篇 (岩波文庫)河童 他二篇 (岩波文庫)
(2003/10/17)
芥川 竜之介

商品詳細を見る


芥川作品のなかで最高に気に入っている、否、あらゆる文芸作品の中で最高に気に入っているうちの一つである。兎に角、文章が雰囲気を醸しだし、雰囲気が思想を醸しだし、作品全体が香っている。

話の内容は、或る人間が河童の国に迷い込むというもの。河童に人間とは違う性質を持たせて、その河童から人間をみると、人間とは実に不思議な生き物である、となる。人間から見て河童が変な生き物であるように、河童から見た人間も変な生き物なのだ。

余が気に入っているくだり。

河童が言う。
「党を支配しているのは名高い政治家のロッペです。『正直は最良の外交である』とはビスマルクの言った言葉でしょう。しかしロッペは正直を内治の上にも及ぼしているのです。……」
「しかし、ロッペの演説は……」(人間は首肯し難いとばかりに言う)
「まあ、わたしの言うことをお聞きないさい。あの演説は勿論悉く嘘です。が、嘘と言うことは誰でも知っていますから、畢竟正直と変わらないでしょう、それを一概に嘘と云うのはあなたがただけの偏見ですよ。我々河童はあなたがたのように、……しかしそれはどうでもよろしい」

黙説のレトリックであるが、河童はこのあと、なんと言いたかったのか? 「あなたがたのように、嘘と分かっている演説をわざわざ信じておいて、騙されたとは騒がない」「あなたがたのように、そもそも政治家を疑ってはいないから嘘を嘘として受け止める」などなど、想像は無限に広がる。

終始、このような感じで、河童と人間の問答が行われている。河童の世界に行きたくなること間違いなし。

オススメ度: レベル5
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

クゥと河童大王クゥと河童大王
(2008/02)
木暮 正夫こぐれ けんじろう

商品詳細を見る

河童少女 (ぶんか社コミックス)河童少女 (ぶんか社コミックス)
(2008/11/17)
明智 抄

商品詳細を見る

よくわかる「世界の妖怪」事典―河童、孫悟空から、ドラキュラ、口裂け女まで (廣済堂文庫)よくわかる「世界の妖怪」事典―河童、孫悟空から、ドラキュラ、口裂け女まで (廣済堂文庫)
(2007/07)
「世界の妖怪」を探究する会

商品詳細を見る

テーマ : 買うべき本 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  11:43 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2008.07/11(Fri)

千羽鶴 

千羽鶴 (新潮文庫)千羽鶴 (新潮文庫)
(1989/11)
川端 康成

商品詳細を見る

康成の文は美しい。千羽鶴はとくに美しい。余はこういう小説が好きである。波瀾万丈なドラマはないが、非常に小さな心の機微が過不足なく描かれている。また、これは茶道具がガジェットとして用いられている。余はたまたま志野焼のぐい飲みを愛用しており、康成が言わんとしていることが茶碗を通じて伝わってきたりして面白かった。

中学の頃、伊豆の踊子を読まされて、こんなにつまらない小説があるのかと辟易したのを覚えている。しかし、今読むと面白い。康成はとくにそういう作家だと思う。大半の作家は読み直すと幻滅するのに。

中学や高校で康成を読んだ方も、もう一度読み直してみると、おそらく、新しい発見があると思われる。


オススメ度: レベル5
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》

眠れる美女 (新潮文庫)眠れる美女 (新潮文庫)
(1967/11)
川端 康成

商品詳細を見る

雪国 (新潮文庫 (か-1-1))雪国 (新潮文庫 (か-1-1))
(1986/07)
川端 康成

商品詳細を見る

伊豆の踊子 (新潮文庫)伊豆の踊子 (新潮文庫)
(1950/08)
川端 康成

商品詳細を見る

テーマ : 本の紹介 - ジャンル : 小説・文学

【編集】 |  22:00 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2008.07/07(Mon)

なんとなく、クリスタル  

なんとなく、クリスタル (新潮文庫)なんとなく、クリスタル (新潮文庫)
(1985/12)
田中 康夫

商品詳細を見る


前長野県知事、参議院議員、新党日本党首、田中康夫のデビュー作。文藝賞受賞作品。

なんというか、感想の書きにくい作品。小説と言うよりも、金持ち大学生が書いた日記である。容姿端麗でモデルをやっていて家が金持ちで、才能溢れるミュージシャンと同棲している大学生の女の一人称。当時、クリスタル族などを生み出した超ベストセラー小説らしいが、まったく理解できない。80年代とは、それほど幸福な時代だったのだろうか?

いわゆる、やおい作品で、山なし、落ちなし、意味なし、と三拍子そろっている。別にドラマがあるわけでもなんでもない。恋人が地方興行に言っている間に、ディスコで知り合った男とやって、べつに恋人は咎めるわけでもなんでもなく、みんなでドライブしておしまい……

深い意味を読み取れない。余に読解力がないのであろうか。もっと、アグレッシブに行間を読まなくてはいけないのだろうか? 読むに絶えないと言うほどつまらなくもないのだ。

オススメ度: レベル3
FC2 Blog Ranking

《参考・関連図書》
日本を日本を
(2006/06/20)
田中 康夫

商品詳細を見る

検証田中康夫―それでもあなたは支持しますか?検証田中康夫―それでもあなたは支持しますか?
(2007/07)
小野 和人

商品詳細を見る

太陽の季節 (新潮文庫)太陽の季節 (新潮文庫)
(1957/08)
石原 慎太郎

商品詳細を見る

テーマ : 古本 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  23:20 |  小説  | TB(0)  | CM(1) | Top↑
2008.02/20(Wed)

エイジ 

エイジ (新潮文庫) エイジ (新潮文庫)
重松 清 (2004/06)
新潮社
この商品の詳細を見る


山本周五郎賞受賞作品。

エイジという中学二年生が主人公。ある日、エイジのクラスメイトが連続通り魔として逮捕される。エイジは最初こそ驚愕するが、だんだん、あり得ない話ではないな、と思えてくる。そのうち、自分もいつか彼と同じような凶行に及ぶのではないかと恐怖し始める。

エイジの友人達も、それぞれの思いを持っている。とにかく、文庫本で448ページもあれこれ述懐するのである。なるほど、そういう角度から彼の心理に光を当てると、そういう解釈も成り立つな、などと、感心して読んでいると、ある一言で現実に引き戻される。エイジが一学年下の女と付き合って、
「半年ちょっと前までは小学生だったんだ。おれたちだって一年半前は小学生だったんだ」
これは大人の台詞だと思う。リアル中学生の台詞ではない。リアル中学生は、当然の事実として、気付く気付かぬより以前に、注目しない部分である。いや、注目できないと言った方が良いかもしれない。

ラストが綺麗にまとまっているのが気に食わない。ネタバレになるから言わないが、とってつけたような大団円で、今まで悩んでいたのは何だったの? と聞きたくなる。疾走に比べて弱すぎる。文学のインパクトを放棄している。これでは、単なる作り話である。余のように捻くれた大団円が嫌いな人間には合わない。

流星ワゴンよりはまし。疾走よりは格段落ちる。

オススメ度: レベル3.5
FC2 Blog Ranking

テーマ : 書評 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  22:26 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2008.02/11(Mon)

流星ワゴン 

流星ワゴン (講談社文庫) 流星ワゴン (講談社文庫)
重松 清 (2005/02)
講談社
この商品の詳細を見る

重松清の小説。「本の雑誌」年間ベスト1になった作品。
久しぶりに小説を読んだ。カテゴリ→小説で更新間隔を見てびっくりした。

家庭が崩壊して、死んでもいいと思っている男の前にお化けが現れる。お化けは男を過去の人生の岐路にタイムスリップさせる。決して現実は変わらなくても、男は重大な地点をやり直すことにより、人生に納得すると言うもの。しかし、現実に戻ってみると、微妙にやり直しの影響が現れていたりと、なんとも煮え切らない話。

だいたい、男が弱すぎる。今時、子供が暴れて妻が浮気してリストラにあう人間など五万といる。一昔前の平和な家庭などを夢想しても始まらないだろう。この妻も非道すぎる。テレクラで男を漁りまくる。咎められても止めない。同情の余地なし。

主人公の男があまりに弱すぎるので、強い人間として父親を対比させているんだが、この父親が一人だけ漫画チックで浮いている。

結論=疾走ほどのおもしろさ、奥深さはない。


オススメ度: レベル3
FC2 Blog Ranking

テーマ : 小説 - ジャンル : 小説・文学

【編集】 |  22:39 |  小説  | TB(1)  | CM(0) | Top↑
2007.07/08(Sun)

みんな元気。 

みんな元気。 みんな元気。
舞城 王太郎 (2007/05)
新潮社
この商品の詳細を見る


舞城作品には二種類ある。
普通の話と、支離滅裂で夢の中の出来事のような話。
これは後者で、好き嫌いが別れるところであるが、
余は全くなじめない。メッセージ性はわかる。
しかし、情景も思い浮かばないし、
時系列もばらばらだし、早い話が意味不明なのである。
余は前者の舞城作品が好きだ。
途中までは勢いよく読めるのに、もったいない。

オススメ度: レベル2
FC2 Blog Ranking

テーマ : - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  20:00 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.07/07(Sat)

世界は密室でできている。  

世界は密室でできている。―THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS 世界は密室でできている。―THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS
舞城 王太郎 (2005/04)
講談社
この商品の詳細を見る


かなりイケてる小説。
笑いあり涙あり密室あり。
さすが舞城、普通のミステリー作家が、
ミステリーだけを書くのと違い、ちゃんと人間が生きている。
奈津川がちょっとだけ出てくる。
別に、知らなくても問題ないが、
煙か土か食い物も読んでおくといいかもしれない。
いや、これを読んでから、前述のものを読んだ方がいい。
本屋で迷ったらこの本だ。470円と安いし。

オススメ度: レベル4.5
FC2 Blog Ranking

テーマ : 推理小説・ミステリー - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  23:26 |  小説  | TB(1)  | CM(1) | Top↑
2007.06/29(Fri)

好き好き大好き超愛してる。  

好き好き大好き超愛してる。 好き好き大好き超愛してる。
舞城 王太郎 (2006/08/08)
講談社
この商品の詳細を見る


芥川賞候補作。
恋愛と死を真正面から書ききった作品といえる。
あんまり面白くないし、ちょっと読みにくい。
三島や大江の文学は難しいと言うが、
舞城の文学もかなり難しい。

オススメ度: レベル2
FC2 Blog Ranking
【編集】 |  01:30 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.06/27(Wed)

山ん中の獅見朋成雄  

山ん中の獅見朋成雄 山ん中の獅見朋成雄
舞城 王太郎 (2007/03/15)
講談社
この商品の詳細を見る


すらすら読めて、謎がたくさんあって、
途中まではすごく面白いのだが、
ラストが滅茶苦茶拍子抜けする。
小説とは所詮こんなものでしかないのであろうか?
もっとすごい小説ならではのパワーがあると思う。
熊の場所に比べて劣ると言わざる得ない。

オススメ度: レベル2.5
FC2 Blog Ranking

テーマ : 読書 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  22:23 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.06/25(Mon)

恋人といっしょになるでしょう 

恋人といっしょになるでしょう 恋人といっしょになるでしょう
上野 歩 (1994/12)
集英社
この商品の詳細を見る


第7回小説すばる新人賞受賞作品。
久しぶりに小説を読んだ。
これは純文学というやつであろうか?
それとも、やおい系文学であろうか?
文章や描写は簡潔で好感が持てるものの、
内容が今ひとつ飲み込めない。飲み込めなくていいのだろうか?
複線らしきものがたくさん出てくるのに、
一つも回収されていない。謎。

オススメ度: レベル2
FC2 Blog Ranking

テーマ : 推理小説・ミステリー - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  23:15 |  小説  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
 | BLOGTOP |  NEXT
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。