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2007.08/19(Sun)

小沢主義 志を持て、日本人 

小沢主義 志を持て、日本人 小沢主義 志を持て、日本人
小沢 一郎 (2006/09/01)
集英社
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小沢主義
この前の参院選で大躍進を遂げた民主党の党首、小沢一郎の書き下ろし。
政治哲学ももちろん含まれているが、どちらかというとエッセイだ。難しい議論もないしサクサク読める。

小沢も、その他多くの政治家、政治学者と同じく、日本の混迷を官僚主義の腐敗、民主制の形骸化にあると分析している。しかし、その先が政治学者と大物政治家の違いが出てくるところで、小沢は先に挙げた二つの問題を乗り切る策として、「強力なリーダーシップを持った人間が日本を導くべし」と結論している。

簡単に言うとこうだ。日本人の精神は聖徳太子の昔から「和を以て貴しとなす」である。これは確かに一理ある。閉鎖した島国で、豊かな自然に恵まれ、外敵の侵入も防げた。つまり、需要を上回る生産があり、生産を脅かす外的もいない、再配分を徹底することで回る社会なのである。そこで大事になってくるのは、上手く再配分をするための合意、則ち談合なのである。小沢の言葉を借りると「コンセンサス社会」の風土ということになる。需要が供給を上回れば必然的に奪い合いの社会になる。中国やヨーロッパのような奪い合いを基礎に置いた社会では意志の徹底、迅速さが要求される。つまり、強力なリーダーシップが要求されるという論である。

日本は戦後、米ソ冷戦の狭間で、アメリカという巨大なマーケットと中国という巨大な労働力に恵まれ、裕福になった。先の言葉を使えば、需要を上回る生産があった。国内には富が積まれ、如何に富を配分するかが問題にされていたのである。しかし、その時代は終わった。中国はもはや安価な労働力を提供しなくなり、アメリカという市場は低迷し、日本の富は日に日に薄れていく。

簡単に言うと、グローバル化の波に呑み込まれ、競争社会に晒される。つまりは、奪い合いの世界の中に日本も入っていかねばならなくなった。一国、島国のコンセンサス社会はなりたたない。そこで、小沢は強力なリーダーシップを持った政治家が現れて、日本の舵取りをゆだねなければ、今までのようにのろのろとやっていたのでは、日本は破滅する。そう警鐘をならす。

もちろん、こんなに露骨には書いていない。しかし、普通に読めばそうとれる。小沢が自らを指して強力なリーダーシップの持ち主だと言っているのかは分からない。

コンセンサス社会が成立して、うまく回るのは平和な一時と限られている。古代ギリシャの例を持ち出すまでもない。小沢も著書の中で言っているが、日本にだって常にコンセンサス社会であったわけではない。中大兄皇子、織田信長、明治維新、強力なリーダーシップを持った人間が未来を切り開いてきた。

余はここで一歩論を進めることを試みる。強力なリーダーシップとはなんぞ? 強力なリーダーシップは権力に他ならない。今の日本は非常に権力が分散している。抽象的な意味ではなく、現実的にも政治家、政府から正当性が失われ、民の信が得られなくなっている。はっきり言うと、今の民主制の正当性が失われているので、選挙というシステムを通じては正当性のある指導者が生まれる可能性は低い。小沢イズムは選挙の内側から指導者を得ると考えると、非常に矮小で眠たい思想だが、選挙の外側の指導者が権力を握ると考えれば、少しは胸が躍る。

「小沢一郎」入門―カリスマの原点 小沢一郎は何を考えているのか

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