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2008.01/13(Sun)

米中経済同盟を知らない日本人 

米中経済同盟を知らない日本人 米中経済同盟を知らない日本人
山崎 養世 (2007/02)
徳間書店
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今後の世界を読み解くヒントが多く記された書。非常に理解しやすく書かれている。中学生でも読める。ただ、そのためか文章が無味乾燥。

グローバル経済とはどういうものなのか。21世紀の中国の役割、日本の斜陽、説明がなされている。

まず、石油やその他原材料の値段が上がっても、物価が上がらなくなったところから物語は始まる。中国が世界の工場になったからだという。原材料の値段上昇分だけ、人件費が抑えられて消費者の物価が変わらぬようになった。インフレが起きなくなったと説く。そのかわり、先進国は総中流から格差社会になる。物価は変わらずとも、貧困層の収入は減少する。

消費と生産は表裏一体である。消費があるから生産が起こり、生産があるから消費が起こる。この自明性が、安いものを求める消費者と、効率性を求める企業、優遇を求める労働者との摩擦の中で失われた。ネオリベと言われる、80年代のサッチャー・レーガンの新自由主義は消費者の利益を優先した。あとはいかに安く作るかの問題となる。

そこで、中国の出番。1992年、中国は安い労働力を外国のために解放し、設備やらなにやらを、自国企業ではなく、外国企業、外国資本に優先して提供した。89年の天安門事件で非民主的だと非難するアメリカに「設け話に乗れ」と言った。アメリカは自国の工場を閉鎖して中国に工場を造る。見事に中国の策は当たって、アメリカに続けとばかりに皆、中国に工場を築いた。

米中戦争が起きない理由を、この持ちつ持たれつの関係ゆえだと著者は言う。逆に言えば、この関係が崩れたときにこそ、米中戦争は起きる。中国にも富はたまる。今や中国の外貨準備金は1兆ドルである(我が国は06年10月で8700億ドル)。中国は人民元が切り上げられたかと言って、ちっとも元高にならない。元が高くなると、安い労働力が失われてしまい、アメリカや先進国が困るからだ。

ここから先が非常に面白い。果たして中国の労働力は高くなるであろうか? おそらく、答は否だ。先進国が極めて貧しくなって、中国の労働力よりも、国内の労働力の方が安くなれば分からない。しかし、中国は10億人もいる。なかなかそうはならない。国内が極めて貧しくなっても生産は中国で行われる。これがグローバル経済だ。だから著者は言う。今後の世界は、国と国との貧富の差ではなく、一国の中での貧富の差であると。

これから各国がやるべきことは安くて良質な労働力を提供することであろう。その点に於いて、中国が富を政府のものにしているのは実に先見の明があると言わざるを得ない。良質な労働力を提供するには、学問というインフラを労働者に与えなければならないからである。おそらくこの構造は人工知能やネオヒューマノイドが跋扈するまで変わらないと思う。

諸賢、日本は大丈夫であろうか? 余は駄目だと思う。この構造に関与することは、相対的剥奪感もふくめて、今の統治形態や現在日本に支配的な思想の下では不可能だ。だから、一足飛びに人工知能やネオヒューマノイドの創造に全力を傾けた方が良いと思う。

オススメ度: レベル4.5
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テーマ : 中国問題 - ジャンル : 政治・経済

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