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2008.05/15(Thu)

自殺対策ハンドブックQ&A―基本法の解説と効果的な連携の手法 

自殺対策ハンドブックQ&A―基本法の解説と効果的な連携の手法自殺対策ハンドブックQ&A―基本法の解説と効果的な連携の手法
(2007/02)
本橋 豊

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なんともふざけたタイトルだが、中身は真面目? ところどことウケるのは余が捻くれているからか。

副題にあるとおり、平成18年10月28日に自殺対策基本法が施行された。この書の大半は、この法律の内容説明と、活用の仕方を紹介している。

面白かった部分は数値がけっこう詳しく載っているところ。ネットで調べれば出てくる物であろうが、その手間が省けるし、説明付きだから理解を助ける。年齢階級別のグラフとかも見ているだけで不思議な気分になれる。

この書がもっとも言いたいことをまとめると、「自殺する必要がないのに、自殺してしまう人がいる。その人を助けよう」ということに尽きる。だから、かなり理知的に、「日本の自殺をH17年比で30%減らすにはどうしたらいいか」という命題にたどり着いている。この30%という数字がどこから出てくるのかというと、フィンランドが自殺問題に取り組んで、10年で30%減少させた、というところからきている。
ゆえに、こうとも言っている。
「社会全体で自殺を減らすという目標を立てるとき、全ての自殺をなくそうという目標を立てているわけではないことをまず理解すべき」

さらに面白いのが、
「H10年以降の自殺の増加は、経済的理由等で社会的に追い詰められた中高年が自殺の増加が大きく寄与している。H17年の自殺者は30,539人(警視庁統計と若干違う)であり、H7年の自殺者21,420と比べて9,119人の増加。毎年約9,000人の過剰死亡が生じていると考えると、H10年からH17年までの間に約72,000人の過剰死亡があったと推定できる」

これは、面白い考え方だと思わないだろうか? つまり、H10年までの、年間20,000人は適当自殺人数だとしているのである。過剰死亡がどう言ったものか分かりやすくいうと、「混ぜるな危険」を知らずに混ぜてしまったような状況である。死せずとも、打開策があるにもかかわらず、それを知らずに自殺してしまう状況である。本書は、それをなくそうとしている。混ぜるな危険を周知させようとしているのである。

混ぜると死ぬことがわかっている人間を止めることは出来ないし、止めたところでお互い不幸になるばかりだ。仮に、自殺がない世界を想像してみて欲しい。太宰も、乃木将軍も、藤村操も、屈原も、ウェルテルも、ヒトラーも、みんな病死か事故死か天寿を全うするか、刑死。なんと味気ない世界であることか。

自殺は単に嫌な世の中を終わらせるという物理的なことだけでなく、生を浮き彫りにするツールである。常に使用可能な状態に置いといてこそ、より有効なのである。そして、最終的にそれを使ったからといって、なにか不都合があろうか?

この本の良いところは、以上のように極めて主意主義的に語られているところである。間違えても、自殺ゼロキャンペーンとか、感情に訴える作戦には出ない。

もし、生きることが自明であり、誰一人として生に対する疑問を抱かぬような世の中なら、余はそんな世に生きたくはない。過剰死亡を抑えるという点で、余は本書に非常に共感するところである。逆に言えば、過剰死亡以外の自殺を容認するという点で共感している。

完全自殺マニュアル

オススメ度: レベル3
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テーマ : 自傷・OD - ジャンル : 心と身体

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