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2008.09/05(Fri)

入札改革 

入札改革 (岩波新書)入札改革 (岩波新書)
(2003/12/20)
武藤 博己

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前半は入札における談合の実情を記している。どうして、談合が発生するのか、それを取り締まる法はあるのか。政官業の鉄のトライアングルといわれる構造も記されている。

現在、様々な民間委託が進んでいる。民間に委託に出すものには競争原理が働いていなければ、それは単なる役所の人件費削減である。例えば、うちの自治体にも、役所の随契をずっとやっていて、役所が入札に変えた瞬間に倒産するような企業がある。役所がなければ生きていけない企業を、はたして民間企業と呼ぶことが出来るであろうか。

第二章は公共サービスについてである。近年は住民の自治理念が薄れ、介護をはじめ、多くのことを行政が行うようになった。さらに、住民の要求はましている。当然、財政困難に陥るのは目に見えていた。そこで政府はネオリベ化する。小さな政府を標榜して、なるべく、政府の手から事業を切り離し、民間や市場原理に任せる。その良い例が病院である。本来、ネオリベは政府が手を出さなくても、社会の自治が行き渡るように工夫する。しかし、現在の日本は、ただ財政支出を減らすことだけが目標であり、住民も政府の借金に目くじらを立てるわりには、借金の増える要因には無関心なのである。

役所の民間委託は、ごみ運搬収集、駐車場管理や、庁舎清掃に限らない。究極のところでは、企画運営でさえコンサルタントに委託している。そのうち、委託するか否かを決める部署も委託になり、委託先がさらに孫請け、ひ孫請けとなりそうだ。庁舎内に公務員がいなくなる日も遠くあるまい。現在でさえ、半分以上は委託や非正規である。本書には高浜市、志木市の事例が載っている。

第三章は総合評価型入札についてである。今までは、価格だけが判断基準であった。しかし、これからは、価格だけではなく、企業に事業内容をプロポーザルさせて、事業内容評価や価格等を加味した上で落札業者を決める。PFI事業などは良い例である。

さらに、著者は政策入札の導入を主張する。政策入札とは、入札基準に、環境、福祉、男女共同参画、等の社会評価を盛り込むことである。

政策入札によって、談合がしにくくなるのは確かであろうが、制度を煩雑にすればするほど、国の活力が衰えることを懸念する。また、儲からなければ民間企業ではない。どんな制度を入れたところで、儲かりそうならば談合は決してなくならない。

しかし、この価格競争というものはいつまで続くのであろうか。民間企業などコスト削減と、いったい、何十年やっているのであろうか。また、低価格になった先にはなにが待ち受けているのであろうか。

価格を下げること、効率よくすることは重要である。しかし、余は日本国という線を引いたからには、その線の内側のパイを大きくすることなしに、内側のパイの効率化に終始するようでは、線の内側の未来はないものと考える。

不正入札―公共事業に群がる業者たち

オススメ度: レベル4.5
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《参考・関連図書》

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