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2008.12/03(Wed)

河童 

河童 他二篇 (岩波文庫)河童 他二篇 (岩波文庫)
(2003/10/17)
芥川 竜之介

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芥川作品のなかで最高に気に入っている、否、あらゆる文芸作品の中で最高に気に入っているうちの一つである。兎に角、文章が雰囲気を醸しだし、雰囲気が思想を醸しだし、作品全体が香っている。

話の内容は、或る人間が河童の国に迷い込むというもの。河童に人間とは違う性質を持たせて、その河童から人間をみると、人間とは実に不思議な生き物である、となる。人間から見て河童が変な生き物であるように、河童から見た人間も変な生き物なのだ。

余が気に入っているくだり。

河童が言う。
「党を支配しているのは名高い政治家のロッペです。『正直は最良の外交である』とはビスマルクの言った言葉でしょう。しかしロッペは正直を内治の上にも及ぼしているのです。……」
「しかし、ロッペの演説は……」(人間は首肯し難いとばかりに言う)
「まあ、わたしの言うことをお聞きないさい。あの演説は勿論悉く嘘です。が、嘘と言うことは誰でも知っていますから、畢竟正直と変わらないでしょう、それを一概に嘘と云うのはあなたがただけの偏見ですよ。我々河童はあなたがたのように、……しかしそれはどうでもよろしい」

黙説のレトリックであるが、河童はこのあと、なんと言いたかったのか? 「あなたがたのように、嘘と分かっている演説をわざわざ信じておいて、騙されたとは騒がない」「あなたがたのように、そもそも政治家を疑ってはいないから嘘を嘘として受け止める」などなど、想像は無限に広がる。

終始、このような感じで、河童と人間の問答が行われている。河童の世界に行きたくなること間違いなし。

オススメ度: レベル5
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《参考・関連図書》

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(2008/02)
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テーマ : 買うべき本 - ジャンル : 本・雑誌

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