タモヒトの読書日記
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2009.02/27(Fri)
小さき者へ
小さき者へ (新潮文庫) (2006/06) 重松 清 商品詳細を見る |
重松清の短編集。小さき者へを含む、6編が収められている。小さき者へは、グレて手のつけられなくなった息子に父親が思いの丈を手紙で綴る話。グレたといっても、並大抵ではない。学校でいじめられ、その怒りを家庭に向けるという、なんとも勘弁して欲しい手に負えない息子だ。家の硝子は割る、母親を殴るなど、目を覆いたくなる駄目息子。
余が一番好きなのは、青あざのトナカイ。脱サラをしてピザ屋を始めたが経営に失敗してアル中の男の話。もちろん、妻子にも逃げられてる。
っていうか、どの短編も駄目人間が目白押しだ。重松は急な坂道の真っ最中にいる人間を描きたかった、と後書きで書いている。人生上手くいっていない人を描いたらしい。息子がぐれている、ぐれている少女が主人公、脱サラ失敗、離婚、いじめ、そんな主題が盛りだくさん。余はバットエンドの鬱話は嫌いではないが、さすがに、全編鬱主人公の鬱話となるとつらいものがある。
でも、面白いのでお勧め。
オススメ度: レベル4
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