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2010.07/28(Wed)

世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか 

世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか
(2010/05/28)
野口 悠紀雄

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最初のページに2007年比で、2011年までの世界の経済成長率が掲載されている。それによると、世界は11%。アジア工業国も11%。アメリカでさえ3.65%。しかし、日本は-2.65%というマイナス成長なのだ。これはIMFの資料。民主党政権はプラス成長だという資料を出しているが、どちらが本当かは検証してみなくては分からない。本書はIMFの資料をもとに話を進める。

なぜ、世界が回復する中、日本だけが取り残されているのか。本書は、日本の産業構造に問題があると分析する。日本は貿易により儲けようとしている。一昔前は加工貿易といわれるように、資源を日本に輸入して、日本で製品に加工して輸出していた。しかし、その形はすでに崩れ、現在は後進国に最終消費財を供給しようとしている。これからは、中国やインドの消費を当てにするらしい。後進国の最終消費財は低価格である。それ故に、人件費がバカ高い国内での生産は無理で、後進国で生産し売るしかない。国内の経済はさらに落ち込むことになる。

落ち込んだ国内経済をどのように保っているのか。雇用保蔵という統計がある。雇用保蔵とは企業内失業者のことだ。企業にとって必要のない労働力のことである。21年度の経済財政白書によると、雇用保蔵人数は600万人前後である。この半分は雇用調整助成金でまかなわれている。政府の緊急対策補正のほとんどがこれだ。かりに、600万人が失業したとすると、日本の失業率は14%で、欧州と大して変わらない。本書でも述べられているとおり、失業率が高くなることは悪いことではない。産業構造が変化するために必要な過程なのである。現在の過剰雇用は日本の労働市場が需給調整の場として機能していないことを露呈している。アメリカや欧州は失業が産業構造の変化にとって不可欠であると知っているからこそ、それを利用するのである。日本のように税金で失業を隠蔽していては、いつまで経っても産業構造の変化は起こらない。否、産業構造の変化が起こるのは、まさに、この国が崩壊するときなのかも知れない。

日本は製造業から転換しなくてはならない。日本の製造業はソ連末期と似通っている。09年、日本の製造業の経常利益の総額は3兆5538億円。一方、緊急経済政策で産業支援に充てられている額は09年の補正だけでも2兆円(雇用調整助成金1.8兆円)。本来、民間企業は利益の一部を税として国家に納める主体。しかし、現状は全く逆になってしまっている、と本書は喝破する。

中国のGDPの伸び率が真実であるか、本書は疑う。ウォールストリートジャーナル等がGDPデータとの不整合を指摘する。中国のGDPデータでは08年第四四半期、年率86.8%の成長率が実現したことになっているが、建設、自動車販売、税収は減少。GDP成長率はねつ造ではないかと思われる。というのも、中国政府の正統性維持するためには、経済成長は欠かせないからだ。

最後は上記の分析をもとに、日本が産業構造を変化させねば今後生き残れない。中国が世界の工場と化した時点で、日本の今までの産業は終演を迎えるはずだった。小泉竹中改革とは、滅びるべき産業を温存した改革に過ぎない。日本の賃金が下がるのは当たり前である。

では新しい産業とはなにか。ITや介護である。介護は人手不足だ。その理由は賃金が低いから。普通、人手が足りないと賃金が高くなり人が集まる。しかし、介護保険料で人件費をまかなっている介護にはこの法則が適用されない。そこが問題だ。7月に続刊が出る。こうご期待。

7月に出る続刊
日本経済を破滅から救うために、いますべきこと日本経済を破滅から救うために、いますべきこと
(2010/07/29)
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