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2011.12/08(Thu)

台湾ナショナリズム 東アジア近代のアポリア 

台湾ナショナリズム 東アジア近代のアポリア (講談社選書メチエ)台湾ナショナリズム 東アジア近代のアポリア (講談社選書メチエ)
(2010/05/07)
丸川 哲史

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余は昔に蒋介石の伝記を読んだのと、小林よしのりの台湾論を読んだだけで、あとは全然台湾について知らないし、興味もなかった。そもそも、日本人は台湾をグアムやハワイのような観光地程度にしか考えていないのではないだろうか。余もそんな感じで、外交や歴史や民族について深く考えるなどということはしなかった。だが、ひょんなことから、台湾に関わることとなり、なにも知らぬのはまずかろうと、本書を読んでみた。

なかなか目から鱗である。というのも、台湾はグアムやハワイと違い、独立国であるにもかかわらず、国として承認されていない、こっちからみるとなんとも宙ぶらりんな国であるにもかかわらず、あの中国大陸の正統の国家なのである。台湾とは通称であり、本当の名前は中華民国である。中華民国とは孫文を祖とし、清王朝を倒し、第二次対戦では大日本帝国をも撃退したあの国である。第二次大戦後、中国の覇権を握るも悲しいかな中共に敗れ明智天下となり、台湾に落ちる。中共が中華民国の息の根を止めようとしたところ、朝鮮戦争が勃発。生きながらえることになるが、大陸本土を奪還することを志向が本来の国是のはずである。だがしかし、昨今は独立せず、統一せず、武力行使せず、とまったくわけのわからない国になってしまった。これが余には大戦後の日本に被って見えてしかたがない。国の存在意義が、生存ということになると、その中身は当然、経済合理性がトップとなる。「我が国は経済発展を志向し、国民一人当たり所得の増加を目指す」などと言えばちょっとは格好がつくかもしれないが、イコール、エコノミックアニマルにすぎない。我が日本の将来は、エコノミックアニマルからどのようにヒューマンビーイングに進化するかではないか、と思っているが、台湾もまさしく同じ問題、それも、日本よりも新しいがゆえにわかりやすい状況で直面しているのではなかろうか。

アメリカやヨーロッパで生きる意味、政治の意味、果ては、会社の存在意義までが問い直されているのは、このような国家の存在が自明のものとなってしまったがゆえの意味の不明さによるところがあるのだろう。日本は敗戦という契機に、強制的に国家の意味を喪失させられたが、台湾は内発的に国家の意味の喪失をさせようとしている気がする。それがいかに無意識であろうと、彼らが自ら国家の意思を捨てることに間違いはない。どうして意思を捨てるのか。捨てた方が合理的なのか? 国益に叶うのか? 否、国家の意味をどこにおくかにより、なにが国益なのか、なにが合理的なのかは変わってくる。その意味でも、余には彼らが国家の意味を捨てることを選択したとしか思えないのである。


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