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2012.01/12(Thu)

民族という名の宗教―人をまとめる原理・排除する原理 

民族という名の宗教―人をまとめる原理・排除する原理 (岩波新書)民族という名の宗教―人をまとめる原理・排除する原理 (岩波新書)
(1992/01/21)
なだ いなだ

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民族が宗教とはどういう意味かというと、民族も宗教もどちらも未来へ向けて夢を語るところだという。もともと、人類には生き延びるための部族という単位の集団は存在したが、民族という単位は近代国家の産物であり、幻想だというのだ。しかし、そのようなことを言えば、部族はおろか家族もフィクションということになる。いまさらB・アンダーソンやE・ボブズボウムを持ち出すまでもなく、この世が作為的であることなどは自明である。(子作りは自明であるが、子供だけはどんなものが生まれてくるか分からない。しかし、どんなのが生まれるか分からないと言うことを我々は分かっている)

そもそも、集団などはゲゼルシャフトにすぎない。下界の変化によってゲマインシャフトの形にいかようにも変わるのである。本書は日本の歴史を振り返り、どのようにして民族意識を培ってきたかを説く。部族という単位を民族にするために何が必要なのかを考察する。まずインフラ、人々がどこへでも行けるようにする。次に通信、そして身分制の廃止。言語の統一、これらをやれば、大体どこも民族となる。さらに神話づくり。民族が神話を持つという点は実に宗教っぽい。

では、フィクションだから実在しないかと言えばそんなことはない。この本を読んでいて、「国家学のすすめ」という本を思い出した。その中には、国家は心の中に実在する、と書かれている。しかし、それは嘘だ。国家がフィクションだろうがなんだろうが、実在するのである。いま、目の前にパソコンが載ってる机があるのと同じく実在するのだ。例えば、誰かを殺せば国家権力に拘束されて裁かれる。これなどは、実在のよい例ではなかろうか。逆から言おう。今目の前に存在する机も、今は机として存在している。しかし、それはフィクションなのだ。この机の脚をもいで天板を割ってしまえば、もう机は存在しない。国家も机も色即是空空即是色である。余の好きな歌を紹介する。

ひきよせて むすべば柴のいおりにて とくればもとの 野はらなりけり


オススメ度: レベル4
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《参考・関連図書》

権威と権力――いうことをきかせる原理・きく原理 (岩波新書 青版 C-36)権威と権力――いうことをきかせる原理・きく原理 (岩波新書 青版 C-36)
(1974/03/28)
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神、この人間的なもの―宗教をめぐる精神科医の対話 (岩波新書)神、この人間的なもの―宗教をめぐる精神科医の対話 (岩波新書)
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