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2013.05/25(Sat)

カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか 

カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか (ちくま学芸文庫)カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか (ちくま学芸文庫)
(2009/05/11)
石川 文康

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本書は感想を書くのに窮する。なぜなら、極めて内容が濃いからである。カントの思想というのは直接は知らないが、間接的に様々な方面から聞いている。カントの思想自体ものすごく幅が広い。それを、絡めて一冊で説明しようとするのだから、内容が極めて濃くなるのも分かる気がする。

まず、理性とは何か。我々は様々な問題を問う。では、究極の問いは、「何かとは何か」である。何かとは何かを理性はどのように判断するか。カントの言葉では「アプリオリな総合判断はいかにして可能か」となる。

人間は、なぜ、とたずね、なぜならば、と答える。この感想の冒頭にも、「なぜ、感想を書くのに窮するのか」「なぜならば~」と書いた。理由は英語でreasonである。では理性は? というと、やはりreasonなのである。理由=理性なのだ。

では、人間は理性をどのように使っているか。そもそも、世界とは理性なのか? 世界は時間的・空間的に無限なのか、それとも有限なのか? アンチノミーである。有限であるともいえるし、無限であるともいえる。日付が変わる一瞬は、今日であるのか昨日であるのか。今日であり昨日である。では、世界の有限無限を理性は判断できるか。

著者はカントも用いた例を出してこんな実験をする。金閣寺はどこにあるか? 京都である。京都はどこにあるか? 日本である。日本はどこにあるか? 地球である。地球はどこにあるか? 太陽系である。太陽系はどこにあるか? 銀河系である。銀河系はどこにあるか? 宇宙である。宇宙はどこにあるか……。

それ以上の空間がないのであれば、それ以下の空間はない。つまり、世界はないのである。そもそも、理性概念=イデアとは、実在しないものである。世界とは理性概念に過ぎず、実在しない。実在しないものに有限も無限もない。世界とは理性の暴走なのである。

その他、第三アンチノミーでは、テーゼ「世界は絶対としての自由があるか」 アンチテーゼ「世界に自由はなく、すべては自然の因果に基づくか」が出る。物事にはすべて原因があると多くの人は思っている。しかし、原因にも原因がある。原因の原因の原因の……と、とどのつまり無限に陥ってしまう。無限に陥るということは、原因を特定できないので、原因そのものがなくなるので因果法則自体が成り立たない=アンチテーゼの否定。しかし、原因のない結果もないので、原因を考慮しないで因果の鎖を停止してしまえば、合理的脈絡に反する=テーゼに否定。テーゼもアンチテーゼも否定されてしまう。では、自由も理性の暴走か。

本書はこの問題を掘り下げる。カントの自由、自律、道徳法則、尊厳、などはこの問題と深く関係している。感想はこのくらいにする。ぜひ、本書を読んでもらいたい。


オススメ度: レベル4

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