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2013.07/14(Sun)

 


カント入門 (ちくま新書)カント入門 (ちくま新書)
(1995/05)
石川 文康

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以前書評した「カントはこう考えた」と同じ著者が書いたもの。こちらの方が小難しい印象を受ける。

内容は似た感じなので、カントはこう考えたの書評を参考にして欲しい。

カントは難しい。最初から原典にあたり、それから、こういう解説書を読んだ方が良いのかも知れない。二月ほど前に読んで、分けあって書評を書かないでいたら、すっかり内容を忘れている。必死に読んだのに。学問は継続しなければならない。

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《参考・関連図書》


カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ)カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ)
(2000/09/08)
黒崎 政男

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史上最強の哲学入門 (SUN MAGAZINE MOOK)史上最強の哲学入門 (SUN MAGAZINE MOOK)
(2010/04/14)
飲茶

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カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか (ちくま学芸文庫)カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか (ちくま学芸文庫)
(2009/05/11)
石川 文康

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2013.06/02(Sun)

数学嫌いな人のための数学―数学原論 

数学嫌いな人のための数学―数学原論数学嫌いな人のための数学―数学原論
(2001/10)
小室 直樹

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数学と銘打った本ではあるが、数学とはあまり関係がない。数学そのものではなく、数学のもととなる論理学に力を入れている。脱線などというものではなく、最初から形式論理学の書物といっても過言ではない。

そして、お得意のマックスウェーバー、プロ倫の話が出てくる。プロ倫、キリスト教、イスラム教、一神教がいかにロジスティックかと繋がる。その考え方が数学のもとだというのだ。

最後に、やはりお得意の経済学の話が出てくる。ケインズ理論の国民消費や国民所得である。経済学に数学が使用されている事例が少々挙げられておしまいである。数学に興味がある人間の取るべき書ではない。読み物としては面白いかも知れないが。



オススメ度: レベル4
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《参考・関連図書》

数学を使わない数学の講義数学を使わない数学の講義
(2005/04)
小室 直樹

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日本人のための憲法原論日本人のための憲法原論
(2006/03/24)
小室 直樹

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小室直樹の中国原論小室直樹の中国原論
(1996/04)
小室 直樹

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2013.05/30(Thu)

数学入門〈上〉 

数学入門〈上〉 (岩波新書)数学入門〈上〉 (岩波新書)
(1959/11/17)
遠山 啓

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ロングセラーである。その理由もわかる。数学の面白さが率直に伝わってくる本である。ただ、初学者には少々難しい。やはり、高校数学程度の知識を得てから読んだ方が、より本書の内容を楽しめるのではないか。

数学の歴史からはじまり、代数、幾何学などの説明がなされる。本書の最終目標は微分方程式を理解すると言うことであるが、それは下巻につづく。いま、高校数学をやっているので、下巻はそれが終わってからやり直そうと思う。

小説や哲学書などとは違い、どこから読んでも良い。高校数学が終わったら、上巻の理解不十分なところを読み直し、それから下巻に進もうと画策している。


レベル3


参考図書

例題で学ぶ入門・経済数学〈上〉例題で学ぶ入門・経済数学〈上〉
(1995/12)
大住 栄治、川島 康男 他

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数学入門 (ちくま新書)数学入門 (ちくま新書)
(2012/07/04)
小島 寛之

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数学入門〈下〉 (岩波新書 青版 396)数学入門〈下〉 (岩波新書 青版 396)
(1960/10/20)
遠山 啓

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2013.05/25(Sat)

カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか 

カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか (ちくま学芸文庫)カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか (ちくま学芸文庫)
(2009/05/11)
石川 文康

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本書は感想を書くのに窮する。なぜなら、極めて内容が濃いからである。カントの思想というのは直接は知らないが、間接的に様々な方面から聞いている。カントの思想自体ものすごく幅が広い。それを、絡めて一冊で説明しようとするのだから、内容が極めて濃くなるのも分かる気がする。

まず、理性とは何か。我々は様々な問題を問う。では、究極の問いは、「何かとは何か」である。何かとは何かを理性はどのように判断するか。カントの言葉では「アプリオリな総合判断はいかにして可能か」となる。

人間は、なぜ、とたずね、なぜならば、と答える。この感想の冒頭にも、「なぜ、感想を書くのに窮するのか」「なぜならば~」と書いた。理由は英語でreasonである。では理性は? というと、やはりreasonなのである。理由=理性なのだ。

では、人間は理性をどのように使っているか。そもそも、世界とは理性なのか? 世界は時間的・空間的に無限なのか、それとも有限なのか? アンチノミーである。有限であるともいえるし、無限であるともいえる。日付が変わる一瞬は、今日であるのか昨日であるのか。今日であり昨日である。では、世界の有限無限を理性は判断できるか。

著者はカントも用いた例を出してこんな実験をする。金閣寺はどこにあるか? 京都である。京都はどこにあるか? 日本である。日本はどこにあるか? 地球である。地球はどこにあるか? 太陽系である。太陽系はどこにあるか? 銀河系である。銀河系はどこにあるか? 宇宙である。宇宙はどこにあるか……。

それ以上の空間がないのであれば、それ以下の空間はない。つまり、世界はないのである。そもそも、理性概念=イデアとは、実在しないものである。世界とは理性概念に過ぎず、実在しない。実在しないものに有限も無限もない。世界とは理性の暴走なのである。

その他、第三アンチノミーでは、テーゼ「世界は絶対としての自由があるか」 アンチテーゼ「世界に自由はなく、すべては自然の因果に基づくか」が出る。物事にはすべて原因があると多くの人は思っている。しかし、原因にも原因がある。原因の原因の原因の……と、とどのつまり無限に陥ってしまう。無限に陥るということは、原因を特定できないので、原因そのものがなくなるので因果法則自体が成り立たない=アンチテーゼの否定。しかし、原因のない結果もないので、原因を考慮しないで因果の鎖を停止してしまえば、合理的脈絡に反する=テーゼに否定。テーゼもアンチテーゼも否定されてしまう。では、自由も理性の暴走か。

本書はこの問題を掘り下げる。カントの自由、自律、道徳法則、尊厳、などはこの問題と深く関係している。感想はこのくらいにする。ぜひ、本書を読んでもらいたい。


オススメ度: レベル4

《参考・関連図書》

純粋理性批判〈1〉 (光文社古典新訳文庫)純粋理性批判〈1〉 (光文社古典新訳文庫)
(2010/01/13)
イマヌエル カント

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カント「視霊者の夢」 (講談社学術文庫)カント「視霊者の夢」 (講談社学術文庫)
(2013/03/12)
イマヌエル・カント

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実践理性批判 (岩波文庫)実践理性批判 (岩波文庫)
(1979/12/17)
カント

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2013.05/17(Fri)

崩壊する日本の数学―入試数学の弊害と再生へのプロセス 


崩壊する日本の数学―入試数学の弊害と再生へのプロセス崩壊する日本の数学―入試数学の弊害と再生へのプロセス
(2000/10)
渡部 由輝

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日本の受験が数学的本質を駄目にしているという本。数学に限らず、日本の受験は難しい。特に、数学は人為的にいくらでも難しく出来るものであるから、段々難しさに拍車がかかるという話し。レベルで計ると、日本の数学はアメリカの5倍難しいらしい。

入試の数学が難いから立派な数学者がたくさん現れるというのであれば問題ないのであるが、実際はその逆だという。日本の数学が難しいのは応用問題が多いからだという。難しい応用問題をレベルの低い簡単な方法で解く。すると、レベルの高い回答方法が出てきたときに、レベルの低い方法が染みついていればいるほど興味を示さないらしい。

また、受験の数学とは始めから答えがある問題を解いているに過ぎない。しかし、実際の数学は答えなどない、もしくは、まだ誰も答えを見つけていない問題なのである。何が問題であるか、を見つける能力などもいる。ゆえに、どれだけ早く正確に受験の問題が解けたところで、それは数学的才能とは言わない。

ちなみに、理科はもっとひどくて、受験理科は受験意外に何の足しにもならない。記憶力実験で、意味のない綴りを覚えさせるやつがあるが、あれと似たようなものとのこと。


オススメ度: レベル3
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《参考・関連図書》


増補改訂版 語りかける中学数学増補改訂版 語りかける中学数学
(2012/11/21)
高橋 一雄

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数IA・IIB・IIICがこの1冊でいっきにわかる もう一度 高校数学数IA・IIB・IIICがこの1冊でいっきにわかる もう一度 高校数学
(2009/07/16)
高橋 一雄

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数学文章作法 基礎編 (ちくま学芸文庫)数学文章作法 基礎編 (ちくま学芸文庫)
(2013/04/11)
結城 浩

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【編集】 |  07:18 |  数学  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2013.02/19(Tue)

数学は世界を変える あなたにとっての現代数学 

数学は世界を変える あなたにとっての現代数学数学は世界を変える あなたにとっての現代数学
(2011/04/27)
リリアン・R・リーバー、Lillian R.Lieber 他

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最近は数学に凝っている。今までまるっきり理数はやってこなかったので、この学問が新鮮である。で、方向性をどのようにつけるか考えるために、数学の読み物を図書館から借りているのである。

本書は絵がふんだんに描かれていて、改行だらけなので文字数は少ない。例題のようなものを解いていると多少時間がかかるかも知れないが、まず数時間で読めてしまう。しかも、戦前からのロングセラーだという。

数学に対する数学者の考えのようなものは分かったが、特段数学の魅力を伝えるものには思えなかった。あと、本書はやたらに民主主義を薦めてくる。当時、この本は戦線の兵士にも配られていたらしい。当時はファシズムから民主主義を守る、みたいな大義のもと戦っていたので有益かも知れないが、民主主義が他の諸制度と等しく糞みたいな制度でしかなく、場合によっては他の制度よりも糞であることが証明されてしまった昨今、本書の主張は間抜けである。図書館で借りること、もしくは、図書館で読むことをおすすめする。


オススメ度: レベル3
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《参考・関連図書》

数学は相対論を語る数学は相対論を語る
(2012/01/28)
リリアン・R・リーバー、Lillian R.Lieber 他

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大人のための数学勉強法 ― どんな問題も解ける10のアプローチ大人のための数学勉強法 ― どんな問題も解ける10のアプローチ
(2012/08/31)
永野 裕之

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数学入門〈上〉 (岩波新書)数学入門〈上〉 (岩波新書)
(1959/11/17)
遠山 啓

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【編集】 |  08:38 |  数学  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2013.02/17(Sun)

コリン・ローズの加速学習法実践テキスト―「学ぶ力」「考える力」「創造性」を最大限に飛躍させるノウハウ 

コリン・ローズの加速学習法実践テキスト―「学ぶ力」「考える力」「創造性」を最大限に飛躍させるノウハウコリン・ローズの加速学習法実践テキスト―「学ぶ力」「考える力」「創造性」を最大限に飛躍させるノウハウ
(2004/10)
コリン ローズ

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人は得手不得手があるように、学習方法にも向き不向きがあるらしい。自分の得意とする学習方法で学べば、何倍も効率のいい学習が可能だと本書で述べられている。例えば、音楽が得意な人は、耳からの学習がよい。運動が得意な人は動きながらの体を使った学習が言い。言語能力ある人、絵画的な芸術力のあるひと、それぞれ学習方法は異なるという。

本書にはアンケートのようなものがあり、それに答えていくと、自分がなにに向いているか分かるようになっている。しかし、実践するのは難しい。聴力的な才能がある人は、学習物をテープに吹き込み、繰り返し聞いて覚えると言うが、そんな暇あるか? また、学んだ知識を24時間以内に実際に使う、というが、英語にしろ数学にしろ実際に使うことなんかあり得ない。

本書は紙面の端々に自己啓発的な短文が載せられている。それを読むだけで少しは自分が出来る人間になったような気がする。イケイケドンドンの自己啓発書であるが、本書はそれこそ読者を選ぶのではなかろうか。


オススメ度: レベル3
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《参考・関連図書》

「自己啓発病」社会(祥伝社新書263)「自己啓発病」社会(祥伝社新書263)
(2012/02/02)
宮崎 学

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自己啓発の名著30 (ちくま新書)自己啓発の名著30 (ちくま新書)
(2011/06/08)
三輪 裕範

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世界でたった一人の自分を幸せにする方法世界でたった一人の自分を幸せにする方法
(2012/03/24)
林忠之

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【編集】 |  07:17 |  実用書  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2013.02/06(Wed)

愛される音楽ホールのつくりかた 沖縄シュガーホールとコミュニティ 

愛される音楽ホールのつくりかた 沖縄シュガーホールとコミュニティ (文化とまちづくり叢書)愛される音楽ホールのつくりかた 沖縄シュガーホールとコミュニティ (文化とまちづくり叢書)
(2012/07/23)
中村透

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本書は沖縄県佐敷町に作られたシュガーホールという公共施設の芸術監督が著したもの。公共団体のホールは大体運営がうまくいかない。シュガーホールも著者本人はうまくいっているように書いているが、それが正解かどうかはわからない。すくなくとも、黒字にはならないし、黒字にしてはいけないのが地方公共団体のホールというものである。

著者は芸術監督でもあり作曲家、音楽家でもある。その視点から、近年の音楽が演奏家から聴衆へ一方的に流れていくものになってしまったと嘆く。本来音楽とは誰もが主体的にかかわるもののはずだという。

ホールもそのようになってしまった。地方公共団体のホールは有名な演奏家や講演者をよんで、市民は受動的にならざるを得ない。確かに500席以上のホールを市民が市民のために運用するのは難しい。

著者はこの難しい課題に取り組む。市民が作り出すミュージカルをホールで運営するのだ。ミュージカルは台本から振り付けまで市民が行う。練習の過程はまさに祭の準備である。祭は準備こそが重要であると言うことだ。それを、市民に公開して市民で楽しむという取り組みだ。その一部始終が記されている。また、佐敷町の歴史や、沖縄文化、沖縄の社会分析などにもページが割かれている。


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《参考・関連図書》

クラシック音楽マネジメント ~音楽の感動を届ける仕事~クラシック音楽マネジメント ~音楽の感動を届ける仕事~
(2010/12/23)
取材・構成 木杳舎

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鉄のサムライ 音楽ホールをつくる 鉄鋼マンが挑んだ、音楽の殿堂・紀尾井ホール設立2000日の苦闘鉄のサムライ 音楽ホールをつくる 鉄鋼マンが挑んだ、音楽の殿堂・紀尾井ホール設立2000日の苦闘
(2008/11/09)
林 隆男

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びわ湖ホール オペラをつくる―創造し発信する劇場 (シリーズ「アーツマネジメント」)びわ湖ホール オペラをつくる―創造し発信する劇場 (シリーズ「アーツマネジメント」)
(2007/03)
上原 恵美、牧野 優 他

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2013.01/31(Thu)

それをお金で買いますか――市場主義の限界 

それをお金で買いますか――市場主義の限界それをお金で買いますか――市場主義の限界
(2012/05/16)
マイケル・サンデル、Michael J. Sandel 他

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大ベストセラー「これからの正義の話しをしよう」の続編。これからの正義の話をしようは政治哲学史の話しで、最終章あたりに、少しだけサンデル氏の理想が述べられている。本書はその最終章を演繹したもの。また、本書だけを読んでも真価はわからないと思う。これからとあわせて読むべし。

サンデル氏は本書でもたっぷりと様々な事例を提示する。一章はレクサスレーン。行列に金を払って割り込むのは正当かという問題である。市場経済の論理からいえば、売りたい側と買いたい側が同意しているならば問題ない。ただ、飛行場や遊園地ならともかく、それが病院だったらどうだろうか、公共劇場だったらどうだろうか、という問いが提示される。

第二章はインセンティブ。お金はどのように人々のインセンティブに働きかけるかという問題。また、お金をインセンティブとした結果、それまでの規範が変わるのではないのかという重要な問題を提示する。例としてイスラエルの保育所が出される。イスラエルの保育所では、迎えに遅刻してくる親に罰金を科した。通常の経済学的な発送では、罰金がインセンティブとなり、遅刻が減ると思われる。だが、実際は遅刻は増えた。遅刻することが「申し訳ない」という道徳的感情が罰金というシステムにより、「金を払えばすむ」問題に変質してしまった。また、子どものテスト結果に賞金を出して勉学に励ませるインセンティブの例を出す。ここでは、子どもの試験結果は確かに上がった。しかし、学問に対する正しい姿勢を教えていることになるのだろうか。最後はこう結ばれる。「つまり経済学者は道徳を売買しなければならないのである」と。お金により道徳的規範が変質してしまう結果、経済上や合理上の利点と道徳の利点を天秤にかけて金を払うかどうか決めるようなことである。ここで問題が提起される。金銭で売買すると言うことは二つの観点から非難されるべきだという問題だ。一つめは、公正の観点。保育所の遅刻の例をとれば、金持ちはいくらでも遅刻が可能であるが、貧乏人は遅刻が出来なくなる。臓器売買なども同じ理屈で、いくら自由市場で双方の合意で値段が付いているといっても、真に公正な取引はあり得るのか。経済的弱者が結局は臓器を手放すだけではないのか、という問題。もう一つは腐敗の問題。仮に、遅刻者すべてが同じ経済状況であったとしても、遅刻を金銭で解決することにより、遅刻がいけないのだという道徳律が変質してしまう。臓器も同様で、仮に、全く同等の交渉力がある取引であっても、臓器を取引することは人体というある種神聖なものに対する冒涜であり、これを許せば道徳律が歪んでしまうという問題。一つめの問題がクリア出来たとしても、二つめの問題はクリア不能である。

第三章はお金で買えるもの、買えないものである。例えばノーベル賞はお金では買えない。例え買えたとしても、金で買ったノーベル賞に意味はあるのか? 友人も同じである。真の友人を金で買って、それを真の友人といえるのか? つぎに、プレゼントの問題を考察する。プレゼントが単に効用の最大化を目標とするならば、現金を送った方が効率的だ。経済学者はプレゼント交換を人類の克服されるべき非効率性だと信じている。実際に最近はギフトカードが主流になってきた。経済学者的には良い方向へ向かっていると考えている。お札を突きつけ合うまでもうあと一歩だが、我々は現金をもらうことを好まない。本当はギフトカードも相応しくないと思う。つまり、プレゼンとの目的は効用の最大化ではない。友人関係の目的が効用の最大化ではないように。効用を最大化させるのが目的である現金とは相容れないものなのである。次に、スイスの核最終処分場を受け入れる自治体の例がでる。その自治体の住民は最終処分場を受け入れるという。しかし、一人一人に膨大な保証金を与えることを示すと、受入を拒否する。おなじく、献血の例では、献血を行っていた人間に、謝礼金を払うと、それまで献血していた人間は献血をしなくなる。一件意味がわからない。経済学者は、献血をしたい人は献血をしてお金をもらえるのだから、なお良いことではないか、と思うが実際は違う。献血に金を払うと、金のために献血をする貧乏な人間が出てくる。すると、いままで献血をしていた富裕層は、自分が献血をして彼らの仕事を取り上げてしまうのが良いか、それとも寄付金という形で献血を奨励するべきかわからなくなるというのだ。スイスの自治体の例も同じで、どこも最終処分場を作られるのは嫌だ。しかし、市民の義務としてどこかがやらなくてはならないのならやろう、という気構えであったのが、保証金によってそれが覆る。つまり、金をやるから受け入れろというのなら、自治体側だって、金をやるから他所に作れ、という論理がまかり通る。まさに、ルソーが危惧した、税金とは市民の自由の対局にあるもので、税金によって片をつけていると、その国の滅亡は早い、というものだ。まさに、いまの日本ではないか。

第四章は保険の話しである。アメリカでは企業が従業員に保険をかけて、従業員が死ぬと遺族ではなく企業が保険金を受け取る。企業は従業員にかけた職業訓練費の回収で、その保険金により次の従業員に職業訓練を受けさせると言うが、本当のところは節税対策だろう。従業員は知らぬ間に企業から保険をかけられていたのだ。企業が保険をかける正しい根拠はあるだろうか。もともと、保険はギャンブルだった。未来予測という点ではギャンブルである。多くの国で最近まで生命保険=命のギャンブルは禁止されていた。例え家族のためだとはいえ、誰だった保険に入るのはいい気がしない。「おまえが死ぬと○○万円支払われるぜ」と説明されるのだ。アメリカでもやはり異論が出たらしく、いくつかの州では従業員を保険に加盟させる場合、通知することが義務づけられた。ウォルマートでは、保険に入ってくれると無償で死亡保険5000ドルを支払うという。ウォルマートが受け取るのは30万ドルほどだが。また、アメリカでは保険証券の売買がなされている。投資家は老人や病人から死亡保険を買い取り、保険金を支払い、老人や病人が死んだら、保険金を受け取る、という仕組みだ。当然、保険を買い取った投資家は、対象者が早く死ぬことを望む。なかなか死なないからといって訴訟になったケースもある。確かに、売買をすれば双方に利益が生じるかも知れない。しかし、誰かが早く死ぬことを望む売買などは道徳的に正しくない。このような売買を公に認めることは公民教育上問題である。教育とは学校で先生が生徒に教えることだけではない。それよりも、もっと大きな教育は、いかなる社会がいかなる市民を育てるかという点である。非道徳的な社会では、学校でどれほど高邁な道徳を吹こうとも、非道徳的な市民しか生まれない。アメリカはとっくに非道徳的な社会に堕したが、日本も必至の感がある。

第五章はスカイボックスと命名権。スカイボックスとは球場などに設置された貴賓席である。いま、アメリカではどの球場も貴賓席を設けて、超高額料金を科しているらしい。サンデル氏は、「昔の球場というのは資本家も労働者も同じ目線からスポーツを観戦し、ともにチームを応援したものだ」と嘆く。球場のスカイボックスは階級社会の象徴であるという。ゲイティッドコミュニティのスポーツ版なのである。つぎに、命名権。最近では自治体が公共施設にネーミングライツという形で企業の名前をつけている。例えばMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島(広島市民球場)など。もちろん、アメリカではもっと流行っている。アメリカ、イギリス、ではすでにパトカーにまで企業の広告が貼られている。また、学校などの教育機関へも企業の広告が進出している。日本でもそのうち、皇居の石垣に「パナソニック」などと刻まれる日が来るのかも知れない。諸賢は、あり得ないと思うだろうが、アメリカでも最初はパトカーに広告をつけるのはどうかという疑問があったのだ。しかし、ある議員はこう言ったらしい。「最初は反対だったが、財政的魅力があるのも事実。それに、見回せば様々な公共施設にすでに企業の名前は入っている。パトカーに入ってもおかしくはない」と。この論理で行けば、パトカーに入れて良いのだから、警察署に入れて良い。警察署に入れて良いのだから官公庁に入れて良い。官公庁に入れて良いのだから国会議事堂に入れて良い。国会議事堂に入れて良いのだから……、という具合で皇居にまで広告が侵入してくる。公金横領とか、大泥棒とかで捕まる奴も、最初はキセル乗車くらいだったかも知れない。社会規範というものは徐々に変化し現在の道徳を覆す。

本書を読んでいると、道徳律の変化という問題と同時に、古き良き時代というものが映し出される。しかし、例えば資本家と労働者が同じベンチに座り贔屓のチームを応援する、などというのは、ここ70年くらいの話しで、それより前は貴族と庶民として、完全な分離があった。人類の歴史としては階級社会の方がよほど長いのである。では、ここ70年ほどが比較的平等な市民社会を築いたのは何故かと考察すると、それは戦争ではなかろうか。日本の階級社会は戦争がぶちこわした。否、日本だけではない。あらゆる国で戦争が階級をぶちこわした。また、昔の貴族というものを考察してみると、これも単なる「儲かった奴」に過ぎない。軍事的にせよ、経済的にせよ。儲かった奴の子孫が貴族としてえばっていただけである。貴族が既得権益を失うのはいつか。乱世である。現在は治世である。経済的強者が貴族になろうとしている。これまでと同じことが起こっているのである。


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《参考・関連図書》

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
(2010/05/22)
マイケル・サンデル

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NHK DVD ハーバード白熱教室 DVD BOX [DVD]NHK DVD ハーバード白熱教室 DVD BOX [DVD]
(2010/12/08)
マイケル・サンデル

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マイケル・サンデル教授、究極の質問にお答えください それはお金で買えますか? 「市場主義の限界」にお答えします[DVD]マイケル・サンデル教授、究極の質問にお答えください それはお金で買えますか? 「市場主義の限界」にお答えします[DVD]
(2012/10/20)
マイケル・サンデル

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2013.01/29(Tue)

パイドン―魂の不死について 

パイドン―魂の不死について (岩波文庫)パイドン―魂の不死について (岩波文庫)
(1998/02/16)
プラトン

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死後の世界はあるのか否か、という話し。ソクラテスは、魂は永遠不滅である証明を行う。その証明とはこういうものだ。冷は熱にならない。冷と熱は共存しない。偶数と奇数も共存しない。偶数は奇数に近づくと、どこかにふと消えてしまう。正義と不正も相容れない。正義は不正から発し、不正は正義から発す。人間を生命たらしめているものは魂である。雪に熱を近づければ、雪は溶けるが、雪が消滅したわけではない。人間を生命たらしめている魂もそのようなもので、肉体は死ぬ。では、肉体と反対のも魂は死ではないものであるとするとなんであるか。不死である。と言ったような証明。正直、自分もしっかり納得できているわけではない。

それよりも、おそらくその全段で語られる、哲学者の魂は神々の世界へ行く、というほうが重要なのではないだろうか。

ソクラテスは言う。死がなんであるか分からないのに、いたずらに怖がるのは、知りもしないものを知った振りをする愚昧な振る舞いである、と。確かにそうだ。死はどことなく怖いが、死後の世界があるのかないのかは分からない。現代人は死は消滅であると信じている。しかし、それは、死ねば天国で酒池肉林が待っていると信じるのと同じくらい蒙昧なのではないか。昨今の過保護的、一種異様な人命尊重主義も死=消滅が市民権を得ているからなのかも知れない。

それと、この書の感動できる部分は、証明の終わった後である。ソクラテスは魂は不滅である。だから、みんな悲しむ必要はないというのだが、そこに居合わせた人たちは泣いてしまう。言わば、ソクラテスの証明などはなんの足しにもなっていないのである。理論と感情は全くの別物であることが、この書を読んでいると伝わってくるのだ。


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《参考・関連図書》

パイドロス (岩波文庫)パイドロス (岩波文庫)
(1967/01/16)
プラトン

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ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)
(1964)
プラトン

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饗宴 (ワイド版岩波文庫)饗宴 (ワイド版岩波文庫)
(2009/11/14)
プラトン

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2013.01/22(Tue)

雄気堂々 上下 

雄気堂々〈上〉 (新潮文庫)雄気堂々〈上〉 (新潮文庫)
(1976/05)
城山 三郎

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渋沢栄一の伝記小説。渋沢栄一の子ども時代から40歳くらいまでの話しを書いている。幕末から明治の面白い時代を扱ってるだけあって、小説としてもメチャクチャ面白い。NHKの大河ドラマもこういうのやってくれると良いのだが。読んだこっちも雄気が沸いてくる本である。

若干、善人でヒーロー過ぎw 小説の主人公だからそういうものか。ちょっと人間味にかけてたかも知れない。しかし、明治初期の事業を次々に為していくのは爽快。西郷、大久保、木戸、伊藤、井上、大隈、慶喜などの大物も惜しげなく登場する。久々に面白い小説を読んだ。


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《参考・関連図書》

幕末史 (新潮文庫)幕末史 (新潮文庫)
(2012/10/29)
半藤 一利

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増補 幕末百話 (岩波文庫)増補 幕末百話 (岩波文庫)
(1996/04/16)
篠田 鉱造

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幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)
(2006/11/21)
井上 勝生

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2013.01/17(Thu)

面白いほどよくわかるギリシャ哲学―ソクラテス、プラトン、アリストテレス…現代に生き続ける古典哲学入門 (学校で教えない教科書) 

面白いほどよくわかるギリシャ哲学―ソクラテス、プラトン、アリストテレス…現代に生き続ける古典哲学入門 (学校で教えない教科書)面白いほどよくわかるギリシャ哲学―ソクラテス、プラトン、アリストテレス…現代に生き続ける古典哲学入門 (学校で教えない教科書)
(2008/03)
左近司 祥子、小島 和男 他

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半分が文字、半分が図画というわかりやすい仕組み。自分もギリシャ哲学を囓ったことがあるが、これで、分かった気になるのはちょっと速すぎるかも知れない。この本はギリシャ哲学入門の入門といったところか。

ギリシャ哲学に関係する言葉や、人物、出来事を解説している。ああ、こういうものをさしてギリシャ哲学というのだな、程度に思っておいた方が良い。サクッと読めるし、これはこれで面白いので読んで損はないかも。


オススメ度: レベル3
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《参考・関連図書》

ギリシア哲学入門 (ちくま新書)ギリシア哲学入門 (ちくま新書)
(2011/04/07)
岩田 靖夫

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よみがえる古代思想―「哲学と政治」講義1 (講談社学術文庫)よみがえる古代思想―「哲学と政治」講義1 (講談社学術文庫)
(2012/10/11)
佐々木 毅

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悲劇の哲学―ギリシャ悲劇に現れた悲劇的人間の探究 (近代文芸社新書)悲劇の哲学―ギリシャ悲劇に現れた悲劇的人間の探究 (近代文芸社新書)
(2005/09)
中丸 岩曽生

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【編集】 |  10:53 |  哲学  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2013.01/06(Sun)

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる 

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
(2011/02/09)
佐々木 俊尚

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キュレーションという言葉は最近出来たらしい。キュレーターという言葉がもとになっている。キュレーターとは、博物館や美術館に、どのような展示物を並べるか企画をする人である。

今のネット時代、情報はあふれ、情報の海の中から、なにが自分に必要な情報であるのか見つけるのが難しくなっている。だからこそ、信用のおける情報発信者を見つけて、自分に必要な情報を選んでもらうという話である。

そこから、新たなマーケティングやライフログ、SNSなどの話が広がるのであるが、余はそもそも、情報とは本当に必要なものなのかを問いたい。

ここからは余の意見。人々はそれほど情報を求める必要があるのだろうか。自分に必要な情報を集め、より人生を豊かに知識を増やし選択肢を増やす、というが、まず、情報を必要以上に求めるということがすでに人生の喜びを損ねているのではないだろうか。生きるのに、そんなにたくさんの情報は必要なのだろうか。本当に必要な情報は、いちいち情報を探さなくても、なにが必要であるか分かっているものである。「なにか有用な情報があるのでは?」と目をさらのようにして、この情報の海に飛び込む。飛び込み溺れぬようにキュレーターという浮き輪をつかむ。沖に出れば出るほど、陸地に戻るのは困難になろう。ならば、最初からそんな海に飛び込まねばよい。陸には陸の楽しみがある。海が好きな人は飛び込めばよい。しかし、周りに踊らされて飛び込む必要はない。

オススメ度: レベル3
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《参考・関連図書》

「当事者」の時代 (光文社新書)「当事者」の時代 (光文社新書)
(2012/03/16)
佐々木 俊尚

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仕事するのにオフィスはいらない~ノマドワーキングのすすめ~ (光文社新書)仕事するのにオフィスはいらない~ノマドワーキングのすすめ~ (光文社新書)
(2011/12/16)
佐々木 俊尚

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決闘 ネット「光の道」革命 (文春新書)決闘 ネット「光の道」革命 (文春新書)
(2012/09/20)
孫 正義vs.佐々木 俊尚

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【編集】 |  19:00 |  思想 社会科学  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2012.10/25(Thu)

新書で入門 ジャズの歴史 

新書で入門 ジャズの歴史 (新潮新書)新書で入門 ジャズの歴史 (新潮新書)
(2007/02/16)
相倉 久人

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最近ジャズにはまっている。余の人生では、ときどきジャズに目覚め、そして撃沈していくというサイクルを繰り返している。ジャズが分からないのだ。そこで、今回はジャズを知識面から注入して、その後、音楽として楽しむこととした。

まず、ジャズとは何ものであるか、と言う問題。本書によると、ジャズとは過去との関係性であるという。ジャズはスイングか? 否。ならば、アドリブか? 否。それらを敢えて排したジャズもある。しかし、それはジャズという歴史の乗っ取り、敢えて排すのであるから、関係性の上からいうとジャズということになる。

ジャズは奴隷黒人の中から生まれたもの。19世紀の末である。そこから、この音楽は歴史と密接に絡み合い変化する。1960年代までは変化の連続で、それが永遠につづくと思われていた。だが、現代クラシックと同じで、実験的なことをやり続けた結果、訳の分からない代物となる。ジャズも同じだった。そこからは、ジャズはもはやなにがジャズだか分からない分岐を遂げ今に至るのであろう。

ジャズというのはアフリカ黒人の魂と西欧音楽の融合である。アフリカの叫びを楽器に託すとどうなるか、それがブルースであり、ジャズである。もちろん、それは当初の話しで今は違うだろう。今どころか、公民権運動の時点ですでに違うものになっていた。黒人は白人の音楽理論を取り入れすぎることにより、ジャズが西欧音楽になってしまったことを嘆いたという。ゆえに、公民権運動時、ジャズにおいても本来の黒人の魂を取り戻そうという運動が起こったという。

ジャズを指す別の言葉でスイングというものがある。ジャズとは黒人の音楽である。ラジオが普及して、白人の家庭にジャズが入り込むと、白人は黒人特有のジャズという言葉の響きを嫌った。そこで、白人ウケする別の言葉が必要だった。それがスイングだという。1930年代、スイングとジャズは同義だった。

ジャズは複雑である。しかし、奴隷として連れてこられた黒人達がそんな複雑な音楽を最初から作っていたわけではない。ジャズはいつから複雑怪奇なものになったのか。第二次大戦だという。ジャズメンが兵隊としてかり出されてしまった。すると、ジャムセッションにはスキルの低い連中が大勢参加するようになった。それに業を煮やした一部のベテランが、コードや調整を複雑化させ、素人の参加を妨げたという。

その他にもジャムセッションのありかた。ヨーロッパとジャズの関係、ストラビンスキー等、クラシック畑との関係など、色々興味深いことが書かれている。


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《参考・関連図書》

一生モノのジャズ名盤500 (小学館101新書)一生モノのジャズ名盤500 (小学館101新書)
(2010/08/02)
後藤 雅洋

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挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門 (幻冬舎新書)挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門 (幻冬舎新書)
(2007/01)
中山 康樹

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聴いたら危険! ジャズ入門 (アスキー新書)聴いたら危険! ジャズ入門 (アスキー新書)
(2012/02/10)
田中啓文

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【編集】 |  07:40 |  実用書  | TB(1)  | CM(0) | Top↑
2012.10/09(Tue)

君は1万円札を破れるか?〜お金の洗脳を解くと収入が倍増する" 

君は1万円札を破れるか?〜お金の洗脳を解くと収入が倍増する君は1万円札を破れるか?〜お金の洗脳を解くと収入が倍増する
(2011/12/15)
苫米地英人

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まず、金とは何か、からの説明。金そのものに本質的な価値があるか? という命題。金とは情報であるという結論。

そこで、銀行が信用創造という手を使っていかにデタラメに金を作り出しているかを説く。その権利を握ったロスチャイルドだとか、モルガンだとかが世界を支配しているという。金に与えられた情報とは、支配者達が我々を支配洗脳する為の情報である。金の呪縛から逃れることが、支配者達から自由になることだ。支配者達は金でいうことを聞かない人間を嫌う。

著者は物理マネーと情報マネーを分けろと言う。ものには二つの値段をつけるべきだという。例えば普通のコップは物理マネー100円。情報マネー1円。コペンハーゲンは物理マネー100円。情報マネー50000円。みたいな感じ。

著者は金持ちになるのは簡単だという。まずは、お金が大事だというスコトーマ(心理的盲点)を外すこと。金などは情報によりいかようにでもなるという真理を手に入れること。そして、コンフォートゾーンをずらす。もし、諸賢の年収が300万くらいだとすると、それがコンフォートゾーンになっている可能性がある。そこで、自分のコンフォートゾーンは年収3億だ、と思いこむと、300万でいることが気持ち悪くなる。すると、いかに3億の年収にするか自然と体が動くらしい。(自殺したくならないだろうか)

しかし、真の幸福は金ではないと著者はいう。真の人間のあるべき姿は「空」である、と説く。まぁ苫米地本である。



オススメ度: レベル3
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《参考・関連図書》

図解でわかる! 年収1億円プレーヤーの仕事哲学 (別冊宝島 1904 スタディー)図解でわかる! 年収1億円プレーヤーの仕事哲学 (別冊宝島 1904 スタディー)
(2012/09/15)
苫米地 英人

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30代で思い通りの人生に変える69の方法30代で思い通りの人生に変える69の方法
(2012/09/21)
苫米地英人

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「日本」を捨てよ (PHP新書)「日本」を捨てよ (PHP新書)
(2012/03/15)
苫米地 英人

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【編集】 |  10:07 |  思想 人文科学  | TB(23)  | CM(0) | Top↑
2012.09/16(Sun)

日本型リーダーの条件 

日本型リーダーの条件 (講談社文庫)日本型リーダーの条件 (講談社文庫)
(1991/01)
山本 七平

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一つ一つは面白いのであるが、全体としてみると、なんだか寄せ集めてきた論文集のような感じがしないでもない著作。

まず、日本の歴史を語る。まずは日本の倫理観の根底に貞永式目があるという。この貞永式目の相続法に着目して、そこから、日本型の倫理をいろいろと考察する。貞永式目は長子に遺産を残すとは決めていない。相続はもっとも優れた子どもにやるとしている。そして、その相続の目的は、親に考をちゃんと尽くすかどうか。もし、考を尽くさぬのであれば、相続を取り消すことも出来るとある。

つぎに、日本人の金銭感覚を論じる。日本人は金に対して相当敏感だったという。というのも、金以上の、宗教やら、哲学の倫理がないので、金が最上となるというのだ。そこから、日本的資本主義、勤勉主義のようなものが生まれてくる。

物事には本心があるという。ノミにはノミの本心、犬には犬の本心、人間にも人間の本心。では、人間とはどのように出来ているかというと、働いて食うように出来ている。というより、それ意外出来ないのが人間であるので、働いて食うのが本心だ、となる。だから、人間は働かなくてはいけない。忙しくなくてはいけない。ここが無宗教と言われるゆえんかも知れない。

第四章から貞観政要の話しになる。人間の徳とはなにかという話しだ。この徳と権力の関係を分析する。

第五章は論語。しかし、日本人は儒教を読み誤っている、という点から説く。第六章が渋沢栄一。論語つながりなのであろう。ここまでくると、最初の貞永式目の倫理やなにやらがよく分からなくなってしまう。高度な一貫性が保たれているのかも知れないが、書評にこれほど困る書もない。


オススメ度: レベル3
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《参考・関連図書》

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))
(1983/10)
山本 七平

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なぜ日本は変われないのか 日本型民主主義の構造なぜ日本は変われないのか 日本型民主主義の構造
(2011/12/07)
山本 七平

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日本人には何が欠けているのか タダより高いものはない日本人には何が欠けているのか タダより高いものはない
(2012/04/04)
山本七平

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【編集】 |  06:55 |  思想 社会科学  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2012.05/13(Sun)

新インナーゲーム―心で勝つ!集中の科学 


新インナーゲーム―心で勝つ!集中の科学新インナーゲーム―心で勝つ!集中の科学
(2000/06)
W.ティモシー ガルウェイ

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インナーゲームは72年に出版された。それを25年後に加筆修正したもの。相当なロングセラーである。

本書は無我でのプレーを意図的に再現するという、相矛盾する命題に取り組んでいる。というのも、最高のパフォーマンスは得てして、プレーヤーがプレーを意識しないときにおきるからである。では、意識的に無意識を作り出すとはいかなることなのであろうか。

本書の要は、人間の精神をセルフ1、セルフ2、と分ける。邦訳ではこれを「自分・自身」と訳している。

セルフ1とは、意識的に自分の運動を評価すること。言語表現として、サーブにしろ、スイングにしろ評価する。セルフ2とは直感である。練習で培った動きを、無意識に再現する潜在能力のようなものである。

最高のパフォーマンスるをするとき、人は意識的ではなく「セルフ2」すなわち、無意識状態でおこなう。そのためにはセルフ2を信頼する訓練をしなければならない、というわけである。

このセルフ2は今はやりのプラス思考とは全く別物だという。プラスもマイナスもなく、ただプレイする。それがセルフ2だという。プラス思考、マインドコントロールとは一線を画する。どちらかというと、神秘主義に近い。日本の弓道の考え方に近い。禅の精神を有しているといったらわかりやすいかも知れない。

本書の前半は本当にテニスの蘊蓄だから、テニスに興味のない人間には面白くない。しかし、後半は面白い。哲学や禅が語られているからだ。それも、スポーツ選手が語る内容だから面白い。スポーツに立脚している。スポーツをやるものならば、この楽しさが分かるはずだ。

人はなぜ競うのか、という命題を考える。現在の世の中では勝つことこそ良いこと、という風潮である。サクセスストーリーを信じて疑わない。だから、人々はたかがテニスの試合に血眼になるという。テニスの勝敗で人間の優劣が決まるわけないのに。では、スポーツで勝敗は無視するべきであろうか。スポーツとは健康を維持する体操なのだろうか? 筆者は否という。

サーファーの例を出す。サーファーは大きな波に挑む。大きな波が来るのを待つ。もちろん、小さな波でもサーフィンを楽しむことが出来るが、サーファーは誰も見ていなくても大きな波を来るのを待っている。彼らはなぜ大きな波に挑むのか? それは、彼らの技術をもっとも高度に発揮するために、大きな波が必要だからだという。自分の限界を試し、限界を乗り越えるために大きな波が必要だという。

テニスを含むスポーツもこの大きな波と同じだという。自分の限界を出し、限界を超えるためには障害が必要なのである。サーファーにとっての大波が、スポーツにおける敵であり勝敗なのである。故に、勝負で全力を出し相手選手の障害になることは、相手選手の為なのである。著者はこういう。「真の競争は真の協力とイコールである」と。

是非本書の悟りの境地を楽しんで欲しい。




演奏家のための「こころのレッスン」―あなたの音楽力を100%引き出す方法演奏家のための「こころのレッスン」―あなたの音楽力を100%引き出す方法
(2005/05/01)
バリー グリーン、ティモシー ガルウェイ 他

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ストレスに打ち勝つ!インナーゲームオブストレスストレスに打ち勝つ!インナーゲームオブストレス
(2010/06/23)
W・T・ガルウェイ、E・ハンゼリック 他

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インナーテニス 心で打つ!!インナーテニス 心で打つ!!
(2008/09)
W.ティモシ-・ガルウェイ、後藤新弥 他

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【編集】 |  19:02 |  哲学  | TB(1)  | CM(0) | Top↑
2012.04/28(Sat)

不滅の法―宇宙時代への目覚め 

不滅の法―宇宙時代への目覚め (OR books)不滅の法―宇宙時代への目覚め (OR books)
(2011/12/13)
大川 隆法

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余はまったく幸福の科学の信徒ではないので、本書に書いてあることに激しく首をかしげてしまった。本書はとある熱心な信者にいただいたものである。前から、幸福の科学に興味があったので読んでみたのだが、さして衝撃を受けることはなかった。否、意外なほど吹っ切れているのだなと思った。youtubeなどでも、大川隆法の憑依の映像が多数あるが、信者にあらぬ人がみれば、やはりあれは謎なのである。

例えば、本書でも「3.11で熱心な信者の家の周りは津波がよけていった。死んだのは不熱心な信者だった」などと書かれている。だったら、あの1万6千人はすべて救うに能わざる人間だったかといえば、そんなことはない。もっと不道徳な人間もいるはずである。普通の人が「3.11で死んだのは信心が足りぬからだ」などと言ったら大きな批判にあうだろう。

しかし、大川はここからが違う。水は超能力で操れるという。つまり、信心がしっかりしていれば操れるという。その例として、モーゼが紅海を割ったこと、キリストが荒れる波を沈めたこと、ブッタが水の上を歩いたことなどをあげる。そして、ブッタもキリストもモーゼも、指導したのは自分だという。過去世でエル・カンターレという名前で活動していた自分だという。

その他にも惑星ベガの話がよく出てくる。例えば、キリストを治療して復活させたのはベガ星人のUFOだとか。

余は全然信心がないので、これらの話をまったく信じられないのであるが、信徒の方々はこれをどう思っているのであろうか? 聞いてみたいが迂闊に「不滅の法読んだんだけどあそこに書いてある……」などと聞いたが最後、施設とかに誘われそうで聞くに聞けない……。

ぶっ飛んだ話を除けば、その他は普通の道徳的な話だ。良いことを言っている。ちゃんと良いことを言っているのだから、わざわざ一般人から疑念に思われるような、宇宙人だとか、生まれ変わったとかをいわない方が信者が増えるとおもうのだが、それは余のような信心の足りぬ浅はかものの考えなのだろうか。


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《参考・関連図書》

日本武尊の国防原論日本武尊の国防原論
(2012/04/10)
大川 隆法

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韓国 李明博大統領のスピリチュアル・メッセージ (幸福実現党シリーズ)韓国 李明博大統領のスピリチュアル・メッセージ (幸福実現党シリーズ)
(2012/04/10)
大川 隆法

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台湾と沖縄に未来はあるか? (幸福実現党シリーズ)台湾と沖縄に未来はあるか? (幸福実現党シリーズ)
(2012/04/10)
大川 隆法

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【編集】 |  06:38 |  思想 人文科学  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2012.04/24(Tue)

木工電動工具入門―The Power Tools Manual 

木工電動工具入門―The Power Tools Manual木工電動工具入門―The Power Tools Manual
(2005/04)
WOODY STYLE週末工房編集部

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木工関係の本では具体的な椅子とか机とか、そういう具体的な作品の作り方が載っているが、本書では一切載っていない。その代わり多種多様な電動工具が紹介され、またその使い方が紹介されている。もし机とか椅子とか作るものが決まってるならば本書よりその作り方が載っているものの方がよいだろうが、何か応用的に電動木工工具を使おうと考えている人にとって本書は非常にオススメである。

また通常では思い付かないような電動工具の使い方も紹介されており、それも非常に参考になる。おおよそ電動木工工具と称されるものは全て含まれている。興味のある方は一読することを薦める。また本書の後半には、電動ではないアナログの便利な治具が紹介されている。初学者にとっては、道具の使い方以前に、どのような道具があるのかも分からないであろう。様々な道具の紹介とその簡単な使用法は知識として価値あるものである。


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《参考・関連図書》

電動工具JIGブック 木工電動工具用治具の基本から応用まで電動工具JIGブック 木工電動工具用治具の基本から応用まで
(2006/08/25)
週末工房編集部

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木工技能シリーズ4 万能ルーター加工技能木工技能シリーズ4 万能ルーター加工技能
(2010/11/01)
アルバート・ジャクソン、デヴィド・デイ 他

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木工技能シリーズ3 木工工具の知識と技能木工技能シリーズ3 木工工具の知識と技能
(2010/11/01)
アルバート・ジャクソン、デヴィド・デイ 他

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2012.04/13(Fri)

社会科学における人間 

社会科学における人間 (岩波新書)社会科学における人間 (岩波新書)
(1977/06/20)
大塚 久雄

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大塚史学などといわれるものを作り出した、昭和の大学者、大塚久雄の著作。大塚久雄は小室直樹の著作でも度々引用されている。それで興味は持っていたのだが、真面目に読んだのは始めてである。

内容はほとんどプロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神の解説である。余も以前このブログで書評したが、プロ倫は大変難しい書物ですんなりわかるものではない。この書を読み、改めてプロ倫の言っていることがわかった。誤読していたこともわかった。プロ倫を読む人はぜひ併読されたし。

以前批評したプロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
http://tamohito.blog89.fc2.com/blog-entry-197.html

以下はこの書を読んで気づいたヒントである。

偶像崇拝の議論が出てくる。偶像とは、人間が自分たちで作って自分たちで拝んでいるものだ。人間が作り出したものにもかかわらず、偶像は神となる。人間がつくったもの以上の何物かになるのだ。資本主義もそのようなもので、例えば、株券などの何ら実質的価値がないもを人々は上がった下がったで一喜一憂する。つまり、人間は自分たちで作ったものに、自分たちが支配される構図が出来上がるのだ。

よくある誤解のひとつに、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神という題名から、プロテスタンティズムの倫理=資本主義の精神というのがある。が、本書ではこれは全くの別物であるという。むしろ、この表題のミソは、プロテスタンティズムの倫理からかけはなれた資本主義の精神が生まれるというところに重きがおかれている。しかし、この変容に関しては記述が薄いと思われる。確かに理由はわかるのだが。プロテスタンティズムの倫理から世俗的禁欲がうまれ、世俗的禁欲が合理性を増大させ計画性をたかめ、極限まで資本の最大化をはかるというのは納得できるが、一度金儲けがはじまると、宗教的倫理が吹っ飛び金儲けに邁進するようになるという変容がちゃんと説明されていない気がする。本書では徐々に変わってきたというが、その理由が重要だ。おそらく宗教的生活自体が失われたことが要因だと思われる。

プロ倫もこの部分の記述が薄い。もっとも重要なところであるのに。ウェーバーはこの部分で大変重要な指摘をしている。曰く、
「プロテスタンティズムの倫理はどうしても富を生み出す。しかし、富が生み出されると、プロテスタンティズムの倫理は資本主義に変容し、プロテスタンティズムの倫理が失われることになる。プロテスタンティズムの倫理を実践することは、回り回ってプロテスタンティズムの倫理を失わせることになる」

世俗的禁欲は行動的禁欲とも言い換えられる。行動的禁欲とは目的の為に一切をなげうち、目的に邁進すること。そのなかに、いかにすれば目的を達成できるか、合理的計画的な分析が含まれている。これこそが世俗的禁欲なのである。しかし、宗教性が失われると、利潤の追求に世俗的禁欲が使われるようになる。これが資本主義の精神である。

さらに、プロテスタンティズムの倫理下での商売は、少しでも良いものを適正な価格で売ることに意味があった。儲けが目的ではなく、人が欲しがるものを適正な価格で売ることが目的だ。それが隣人愛の実践だからである。そうするとなにが起きるかというと、適当なものをインチキな価格で売っている商人が駆逐される。適性価格が広まるのだ。すると、合理的投資が可能なになり、資本主義を一層おし進めるという仕組みだ。

プロ倫の話はこう結ばれる。宗教的倫理から、これほど営利至上主義の資本主義が生まれるなど信じられないと皆さんは思うかもしれない。しかし、マルクスレーニン主義が中国大陸に渡り中共のようなマルクスレーニン主義とは似て非なるものになった実例をみれば、宗教的倫理が資本主義になるのもうなづけるのではないか、と。

大塚はこの講演で宗教的文化の相違が人間的思考の相違を生み、経済活動の方法の相違を生む、と言いたいようだが、それはおまけ程度にしかなっていない。

とにかく、この書だけを読んでも意味不明なので、プロ倫と資本論とできればロビンソン物語を読むことをお勧めする。


オススメ度: レベル4
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《参考・関連図書》

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)
(1989/01/17)
マックス ヴェーバー

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社会科学の方法―ヴェーバーとマルクス (岩波新書)社会科学の方法―ヴェーバーとマルクス (岩波新書)
(1966/09/20)
大塚 久雄

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社会科学と信仰と社会科学と信仰と
(1994/04)
大塚 久雄

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2012.04/05(Thu)

簡単カントリー木工 (3) 

簡単カントリー木工 (3) (Heart warming life series)簡単カントリー木工 (3) (Heart warming life series)
(2005/04)
不明

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日曜大工、DIYというと男の趣味という感じがしていたが、本書は女性による女性のための木工であるといっても過言ではない。しかし、内容は可愛い小物とかではなく、がっつりした机や箪笥である。作り方の説明、実物大の型紙も付いている。これを作るかどうかはさておき、わかりやすく木工の色々が載っているので参考になる。

カントリー家具とは、天然木を使って、オイルフィニッシュで仕上げる家具のことをいうらしい。イングリッシュカントリー、フレンチカントリー、アメリカンカントリーなどの種類がある。おそらく、田舎っぽい家具という意味であろう。

カントリーとは、コントラと同じ語源で、「反対側」のという意味がある。もともと、カントリー家具がノーマルな家具であったのであろうが、現在では、天然木むき出しのオイルフィニッシュ家具などは普通ではない。現代一般化した家具に対比して、昔ながらの家具、という意味合いでカントリー家具というのではないだろうか。これは憶測である。


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《参考・関連図書》

DIYで作るナチュラル&レトロな家具 (私のカントリー別冊)DIYで作るナチュラル&レトロな家具 (私のカントリー別冊)
(2010/07/30)
不明

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DIY Style2 (CARTOP MOOK)DIY Style2 (CARTOP MOOK)
(2011/12/20)
バニアス編集部

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手作りが心地いいナチュラルインテリア―DIYでここまでできる!家具と雑貨の手作り&リフォーム (別冊PLUS1 LIVING)手作りが心地いいナチュラルインテリア―DIYでここまでできる!家具と雑貨の手作り&リフォーム (別冊PLUS1 LIVING)
(2011/09/16)
主婦の友社

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テーマ : 本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

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2012.03/29(Thu)

関東大震災 

関東大震災 (文春文庫)関東大震災 (文春文庫)
(2004/08)
吉村 昭

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関東大震災を様々な角度から検証して、全貌を浮かび上がらせようとしたもの。試みは実に良く成功している。

まず、震災の発生までの世情を論じる。2人の対照的な地震学者である大森教授と今村助教授をまるで小説の登場人物のように動かし、この2人がどのように地震について考え、帝都の民がどのように震災を思ったかを描く。震災は突然襲ったのではない。帝都の民はある程度予想し、怖れていたのである。

次に実際の震災による被害状況を資料を用いて克明に記す。さらに、被服廠跡や、浅草吉原公園など大規模な被害を出した場所を取り上げ、当時の証言を元にどのようにして悲劇が起こったのかを検証している。また、大火災を防いだ例も検証している。

震災後、人々はどのように振る舞ったか、世情はいかような影響を受けたかなども、章をさいて言及している。中でも、朝鮮人虐殺と大杉栄の殺害の項は実に良く書けている。まるで、その当時にいるような錯覚に陥る。

本書がドキュメンタリー、記録として優れていることは言うまでもないが、エンターテイメントとしても秀逸である。建物の中でこの書を読んでいたら、怖くなり建物を出てしまった。また、地下鉄に乗るのも怖くなる。この前は遠回りを承知で地上の電車に載ってしまった。首都に地震は必ず来る。この書を読んで心構えをつけておくことを勧める。


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《参考・関連図書》

「3.11キヲクのキロク」市民が撮った3.11大震災 記憶の記録「3.11キヲクのキロク」市民が撮った3.11大震災 記憶の記録
(2012/03/03)
NPO法人20世紀アーカイブ仙台

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平成関東大震災 いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった (講談社文庫)平成関東大震災 いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった (講談社文庫)
(2010/09/15)
福井 晴敏

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3・11大震災 記者たちの眼差し [DVDブック]3・11大震災 記者たちの眼差し [DVDブック]
(2012/03/11)
JNN

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【編集】 |  11:36 |  歴史 伝記  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2012.03/23(Fri)

フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか? 

フォントのふしぎ  ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?
(2011/01/17)
小林章

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地味であるが大変興味深い本。アルファベットフォントについての様々な逸話が載っている。我々が普段何気なく目にしているフォントに、先人達の苦労が凝縮されている。例えばXやAをワードなどで拡大してみて欲しい。そして、いろいろフォントを変えてみて欲しい。Xなどは定規を当ててみると、あら不思議ということになると思う。

アルファベットの文字数は漢字などに比べれば遙かに少ない。その少ない文字に、これだけの注意が払われているというのは面白い。空港などに用いられるフォントは視認性が追求されている。実際、普通のフォントと並べ、同じガウスぼかしをかけると、その視認性の良さが確認できる。S・8・3、このあたりは間違いやすい。また、合字も様々な種類がある。ffi fl などがそうだ。

しかし、フォント制作者はこういう。あくまで言葉が主役であり、フォントは脇役である、と。ある人が、フォントの特徴を覚えていて、言葉を忘れているようでは、フォントとして失格だ。スープを飲み終えて、そのスプーンの経常をありありと思い出せるなら、そのスプーンは失敗作ということ、らしい。至言なるかな。


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《参考・関連図書》

文字のデザイン・書体のフシギ (神戸芸術工科大学レクチャーブックス…2)文字のデザイン・書体のフシギ (神戸芸術工科大学レクチャーブックス…2)
(2008/05/19)
祖父江 慎、藤田 重信 他

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和文フリーフォント集和文フリーフォント集
(2010/12/02)
大谷 秀映

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デザインの現場で役立つフリーフォントBEST1000デザインの現場で役立つフリーフォントBEST1000
(2011/05/31)
エムオーケー

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2012.03/15(Thu)

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史
(2011/11/19)
與那覇 潤

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挑戦的なタイトルであるが、意味はこうだ。何をさして中国かというと、宋代以降の中国の国家形式を指す。宋代以降の中国の国家形式とは、①貴族政治の廃止、②自由貿易、③夜警国家である。

中国は宋代から、貴族が政治を牛耳るのをやめ、皇帝の官僚、即ち科挙に受かったものが政治を行うという、19世紀ヨーロッパをして驚愕せしめた公正性を実現した。イギリスの官僚制は中国を範としたらしい。

そして、自由貿易である。民は移動の自由、経済活動の自由を手に入れた。モンゴル帝国が世界帝国だと言うが、モンゴル帝国は自由経済圏を広げ、安全の変わりに間接税を徴収する国だ。「誰に断って商売してんだゴラ」の世界版である。

夜警国家とは、国家は治安、外交、戦争などのまさに国家でしかできないことを行う小さな政府。別の言い方をすると、その受益者を特定できない業務のみを行うということである。

これの反対が日本である。
日本は階級社会であり政治は武士の世襲制で行われてきた。農家は農家、商家は商家として代々受け継がれるものであった。戦前は大政翼賛となり、戦後は企業社会、終身雇用となり、会社で一家をなしていた。しかし、いまは中国化に向かっているので、なかなか世襲制という社会保障を感じにくいが。

世襲制なので、当然移動の自由、公益の自由はない。

日本は身分制という福祉政策を行っていた。「あんたは百姓だけど、百姓やっている限りその土地は永遠にあんたのものだ」もちろん、売り買いは出来ない。このシステムは明治維新によって破棄されることになるが。

中国人はよく協力な宗族ネットワークを持っていると言われる。ユダヤ人も強力なユダヤネットワークを持っている。それは、公的機関による社会保障がないため、生き延びるには宗族のネットワークを頼るしかなくなった結果だ。日本も3.11のあと、結婚率が増えて、絆だとか言い始めたが、まさに公的救済の限界を人的ネットワークに置き換えたのだろう。

中国がどうして中国化したかというのも色々ある。中国のような広大な平原は、洪水や旱魃や飛蝗によって簡単に生活地域が消滅する。日本のように一所懸命とはいかないのである。

また、どうして明治維新で日本が西欧化に成功し、中国が失敗したかというのも面白い。日本はペリーが来て大砲ぶっ放してあっという間に開国した。しかし中国はアヘン戦争でボロ負けしたあと70年間も清朝がつづいた。この違いはなんだろうか。

日本にとって西欧は魅力的だったが、中国にとって、西欧式の体制などは、とうの昔に実現していたことなので、西欧化の必要性を感じなかったという分析だ。清朝は歴とした郡県制の中央集権国家で、自由貿易が行われている。科挙に受かって官僚になる手だてもある。西欧の自由が魅力として映らなかった。日本は封建制で日本全土に小国家が散らばっている。移動の自由も公益の自由もない。西欧の自由が魅力的に映ったのであろう。

いわゆる近代国家的要素である、法の下の平等、基本的人権、議会制民主主義、がなぜ生まれたか? 西欧が遅れた地域だからだと説明する。西欧は最後まで貴族社会が残った地域だ。法の下の平等、基本的人権、議会制民主主義はすべてもともと貴族の権利である。これが、庶民に拡大されたに過ぎない。

よく、西欧は下からの民主主義であり、日本は上からの民主主義だと言われる。西欧は産業化の過程で小金持ちが生まれ、自分たちの代表を議会へ送り込む。だから、金持ちしか投票権がない。そして、徐々に権利が奪われていき、最後は女性に権利が奪われる。日本では権利が分け与えられたと考えるが、実際は、権利を分捕っていったのである。だから、下からの民主主義なのだ。日本では「権利=与えられるもの」と考えるが、西欧では「権利=分捕って金に換えるもの」である。

もちろん、世界が中国化のワード一つで説明が付くほど単純ではない。それも、こういったおおざっぱな分析は対局を掴むのに役立つ。本書は中国のことを知るにも、我が国を知るにも有益である。


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《参考・関連図書》

中国嫁日記 (二)中国嫁日記 (二)
(2012/03/10)
井上 純一

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「中国の正体」を暴く (小学館101新書)「中国の正体」を暴く (小学館101新書)
(2012/02/01)
古森 義久

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「中国模式」の衝撃―チャイニーズ・スタンダードを読み解く (平凡社新書)「中国模式」の衝撃―チャイニーズ・スタンダードを読み解く (平凡社新書)
(2012/01/15)
近藤 大介

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テーマ : 買うべき本 - ジャンル : 本・雑誌

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2012.03/08(Thu)

詩の世界 

詩の世界 (ポプラ・ノンフィクションBOOKS)詩の世界 (ポプラ・ノンフィクションBOOKS)
(1996/04)
高田 敏子

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中学生向けに書かれたようであるが、大人が読んでも間違いなく楽しい。本書は1972年に上梓された。余が手に入れたのが1992年の第30刷。いまでもソフトカバーとなって普通に売っている。全国学校図書館協議会選定図書である。

詩とはなにか。一度でも詩を書こうと思ったひとは考えるはずである。しかし、なにが詩であるか、詩をどのように味わえばいいか、そもそも、詩をどう感動すればいいのかすら、なかなか分からないのではなかろうか。余もこの年まで、幾編も詩を読み、詩を書いてきたがつゆぞ感動したことはなかった。余は詩の感動を知るには、その時がこなければダメだと思っている。どんなに優秀な教師でも詩の感動を教えることは出来ない。愛と同じである。言葉で愛は教えられない。感じるしかない。こればかりは出会いしかない。

著者はこう書く。「詩は、さびしいときにできると、よくいわれますが、さびしいという感情が、人の心を謙虚にするからでしょう。そのときはじめて、風のことばが聞こえたり、冬の樹が寒さにたえる姿を見せて、励ましてくれるでしょう」

また、比喩の項では幼稚園児の文集の「ボクの足がサイダーを飲んじゃった」という例を引き、「しびれる」ということばを知らないがためにこういう表現が生まれた。ことばに頼りすぎると、表現としてはつまらなくなる例をあげる。

詩と文章の違いを、最初普通の文章を記し、それを徐々に詩的装飾を加えていくことにより詩にするという試みも行われている。

本書は詩人の目というものを教えてくれる。同じ一つの物体でも、様々な角度から見ることにより、哲学的思考を加える。詩は芸術である。実用的行動は芸術ではない。芸術とは感情の表現であり、そのためには実用を超えた、すなわち、哲学的思考が必要不可欠なのだ。

本書が中学生向けとされ、大人が手に取らないようなことがあれば、それは大いなる文化的損失である。


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《参考・関連図書》

詩とはなにか―世界を凍らせる言葉 (詩の森文庫)詩とはなにか―世界を凍らせる言葉 (詩の森文庫)
(2006/03)
吉本 隆明

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世界の名詩を読みかえす世界の名詩を読みかえす
(2002/12)
葉 祥明、東 逸子 他

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詩とは何か―詩論の歴史詩とは何か―詩論の歴史
(2003/07)
星野 徹

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テーマ : 買うべき本 - ジャンル : 本・雑誌

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2012.03/01(Thu)

自叙伝・日本脱出記 

自叙伝・日本脱出記 (岩波文庫)自叙伝・日本脱出記 (岩波文庫)
(2002/07/09)
大杉 栄

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伏せ字が多い。これだけ伏せ字が多いということは、そもそも、作者が伏せておかねばならぬことも多々あると思われる。その証拠に、脱出記などでは、前後の記述が結構変わる。それがまた時代を醸し出していて良いのであるが。

明治大正のアナキスト、大杉栄の著書である。本書は思想的な側面ではなく、彼の随筆といったようなものだ。だからか、とても読みやすい。100年も前にこれほど読みやすい日本語があったとはじめて知った。著者自身も読みやすい言葉になるように相当気を遣っているものと思われる。

官憲に殺害されることにより、伝説となった大杉であるが、本書のなかの大杉はまったく等身大である。いや、むしろ本人は矮小化し書いているのではあるまいか。

明治の風俗、また、大正期のパリや上海、登場人物もみんな国家から目をつけられている変わり者で面白い。また、彼らの思想というか、意志の純粋さ、対権力といった姿勢に今の時代だからこそ共感できる何かがある。彼らも強者ならば、当時の権力側もまた強者なのである。この平成の御代で、争うべき権力、権威があるだろうか。打倒すべきなにかがあるだろうか。そう言う意味で、歴史小説、ファンタジー小説を読むような楽しさも備わった一冊である。大正の書とバカにするなかれ、ぐいぐい読ませる一冊。


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《参考・関連図書》

アナーキー・イン・ザ・JPアナーキー・イン・ザ・JP
(2010/09/29)
中森 明夫

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アナーキーインザJPのこのブログでの書評
http://tamohito.blog89.fc2.com/blog-entry-496.html


大杉栄---日本で最も自由だった男 (KAWADE道の手帖)大杉栄---日本で最も自由だった男 (KAWADE道の手帖)
(2012/02/21)
不明

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大杉栄評論集 (岩波文庫)大杉栄評論集 (岩波文庫)
(1996/08/20)
大杉 栄

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テーマ : 買うべき本 - ジャンル : 本・雑誌

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2012.02/23(Thu)

「この字いいね」と言われる字が書けるようになる本 

「この字いいね」と言われる字が書けるようになる本「この字いいね」と言われる字が書けるようになる本
(2005/05)
進藤 康太郎

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字などというのは読めればいいと思っていたが、これだけpcが普及すると、手書きの意味が段々と変わってきてるような気がする。つまり、もはや手書きの文字は書道ですらあるのだ。日本は諸芸を道とし、禅的とでも言おうか、精神的意味を持たせる。これは、実用的な意味が失われると極端にそうなるものである。例えばば、書道であるが、「読めればなんでもよかろう」などという風に取り組むものはいない。メールや印刷して渡した方が早いし、読みやすいものを、わざわざ手書きで書くとなると、読めればいいという論理は成り立たず、手書きである意味が求められる。本書はその場合の「手書き文字」がどうあるべきかという疑問に答える。

ペン習字的ないわゆる整った字の書き方、というのは法則があり誰でも習得することができる。しかし、己の文字で己を表すのは、「道」であり、法則に従えば済むということにはならない。魂の探求が要求されるのだ。大して面白い本ではないのだが、今後ますます、本書のもつ意味は大きくなるのではないか。


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《参考・関連図書》

簡単ルールで一生きれいな字 (生活実用シリーズ NHKまる得マガジンMOOK)簡単ルールで一生きれいな字 (生活実用シリーズ NHKまる得マガジンMOOK)
(2007/12/13)
富澤 敏彦

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100%書き込み式ペン字練習帳100%書き込み式ペン字練習帳
(2011/12)
青山 浩之

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女子力が上がる 美文字練習帳 (日経ホームマガジン 日経WOMAN別冊)女子力が上がる 美文字練習帳 (日経ホームマガジン 日経WOMAN別冊)
(2011/10/31)
不明

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テーマ : オススメの本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

【編集】 |  07:43 |  思想 人文科学  | TB(1)  | CM(0) | Top↑
2012.02/16(Thu)

最強の記憶術 暗記のパワーが世界を変える 

最強の記憶術 暗記のパワーが世界を変える最強の記憶術 暗記のパワーが世界を変える
(2008/12/04)
アンドリュー・スミス・ルイス、エリック・ヤング 他

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今週は二冊紹介。今週の二冊目。
最強につまらない。彼らの会社の宣伝が永遠と述べられているだけである。日本市場の分析、日本人がどうして英語をしゃべれるようにならないか、などの分析がされている。また、ディズニーとの提携の話など、サクセスストーリー的には面白いかもしれないが、それ以外はかなりつまらない。というより、記憶術など全く出てこないのである。記憶術を扱う会社の回顧録にすぎない。


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《参考・関連図書》

記憶力世界チャンピオンカールステン博士の頭がよくなる勉強法―単語・歴史・公式・数字がすばやく覚えられる驚異のテクニック記憶力世界チャンピオンカールステン博士の頭がよくなる勉強法―単語・歴史・公式・数字がすばやく覚えられる驚異のテクニック
(2010/09)
グンター カールステン

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脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
(2006/11)
築山 節

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奇跡の記憶術~脳を活かす奇跡の「メタ記憶」勉強法奇跡の記憶術~脳を活かす奇跡の「メタ記憶」勉強法
(2011/02/21)
出口汪

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2012.02/16(Thu)

悪魔の記憶術―英語なら3日で1000語が覚えられる! 

悪魔の記憶術―英語なら3日で1000語が覚えられる! (ムックの本)悪魔の記憶術―英語なら3日で1000語が覚えられる! (ムックの本)
(1994/09)
小柳 詳助

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今週は二冊紹介。今週の一冊目。
記憶術の本は何冊か読んだが、これもだいたい同じことが書いてある。本書の前半は、記憶力が優れていると、こんなすごいことができる的な宣伝。また、努力しだいで誰でもできると説明している。

後半は実際の記憶術の方法が述べられている。やはり、具体的な物質に記憶すべき対象を変換して覚えるというものだ。知っているとなかなか使えるので、読んで置いて損はないと思う。タイトルの悪魔はべつに関係ない。悪魔的なすごい記憶術、という意味だ。


オススメ度: レベル4
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《参考・関連図書》

記憶力日本選手権チャンピオンが教えるスーパー記憶術(文庫)記憶力日本選手権チャンピオンが教えるスーパー記憶術(文庫)
(2011/02/26)
藤本 忠正

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記憶力日本選手権チャンピオンが明かす 図解 スーパー[実用]記憶術記憶力日本選手権チャンピオンが明かす 図解 スーパー[実用]記憶術
(2008/11/20)
藤本忠正

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一発逆転!ワタナベ式記憶術一発逆転!ワタナベ式記憶術
(1996/09)
渡辺 剛彰

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【編集】 |  06:48 |  実用書  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2012.02/09(Thu)

対談 現代詩入門―ことば・日本語・詩 

対談 現代詩入門―ことば・日本語・詩 (詩の森文庫)対談 現代詩入門―ことば・日本語・詩 (詩の森文庫)
(2006/03)
大岡 信、谷川 俊太郎 他

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久しぶりに凄い本を読んだ。詩に対する真摯な分析が成されている。谷川俊太郎はファンだが、大岡信というひとの文章は初めて読んだ。

はじめに、いま詩はどんな状況にあるか、という分析から始まっているが、30年前の話なので、1980年代当時と読み替えた方が良い。当時は、同人雑紙の変質が論じられている。額を寄せ合って作っていた同人雑紙が、いまは電話と郵便でやりとりされているというのだ。現代では、それはインターネットにとってかわられている。コミュニケーションのあり方としては、当時もいまも変わらないような気がする。現在は詩投稿サイトなどもあるから、同人的詩の発表の場が、よりオープンで手軽なものになったことは違いあるまい。

また、当時は詩人の才能がある人間が、他の分野に流れるということを問題にしている。映像や小説などその他の表現である。これは、現在はなおさらの気がする。選択肢は増え、詩の需要などはなきに等しいのではないか。

どんな詩を読んできたか、という題では、二人とも外国の詩をよく例に出す。当時はまだ短歌や俳句など、日本の伝統的な詩歌も残っていたが、これらの呪縛から逃れたのは、外国から多くの詩が入ってきたからだという。また、朗読の話しでは、外国の詩は読みやすい。日本の詩は読みにくい。なぜなら、日本には朗読の様式が存在しないからである。という。俳句とかはリズムがあり、音読の様式がある。しかし、自由詩にはない。もし、様式が出来るのだとすれば、これからということか。

朗読についての考察も秀逸である。朗読されることにより、一義的な解釈になってしまい、本来文字が持つ多義的な想像力が抑制されるというのだ。

連詩についても、日本の「和」を問題にし、本来の和はギリギリまで対立した後に出てくる和であるのに、いまの和というのは適当に妥協して対立を避けるような和であり、そんなものは和ではない、と厳しく断じる。

若い人たちの心情吐露の詩作に関して、話し言葉はアームズライフという狭い範囲に共感を呼ぶものという。しかし、詩が本来持っている力、書き言葉には、虚空に舞い上がる感覚がある、という。身近な世界を論じる風潮は近年ますます強くなっていると思われる。むしろ、虚空に舞い上がる作品などというものを最近は見たことがない。谷川の作品はときどき虚空に舞い上がる。


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《参考・関連図書》

ひとり暮らし (新潮文庫)ひとり暮らし (新潮文庫)
(2010/01/28)
谷川 俊太郎

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ぼくはこうやって詩を書いてきた 谷川俊太郎、詩と人生を語るぼくはこうやって詩を書いてきた 谷川俊太郎、詩と人生を語る
(2010/06/26)
谷川 俊太郎、山田 馨 他

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ひとの最後の言葉 (ちくま文庫)ひとの最後の言葉 (ちくま文庫)
(2009/03/10)
大岡 信

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